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非常用発電機導入時の検討ポイント

BCP策定を支援していてつくづく感じるのは、「電気がないと事業を継続するために必要となる様々な機械を利用できないため、復旧作業がなかなか進まない」ということです。

ちなみに、東京湾北部地震M6.9の地震が発生した場合の東京の被害想定では、発災一日後の電力供給停止の割合は12.9%、電気の完全復旧までの見込みは6日となっています。災害時に停電が発生した際の事業継続を考えると、電気が復旧するまで建屋等の整理や復旧作業にあてるという考え方もありますが、より積極的に電気の復旧を待たずに事業の継続を計画する場合、非常用発電機の利用を検討することになります。

以下に、事業用の非常用発電機の導入時に考慮したいポイントをまとめてみました。

1. 用途を明確にする

通常時と同じだけの電力を非常用発電機でまかなうことは現実的ではありません。止めたくない重要な事業、業務は何かを考慮し、稼働させる機器を特定します。

2. 必要とする電力を明確にする

非常用発電機を利用して稼働させる機器を特定したら、その機器を稼働するためにどのくらいの電力が必要になるかを確認する必要があります。

例えば、私が使っているノートパソコンの場合、1.6A × 100V = 160W となります。(直流の場合)

なお、使用電力を計算する際の注意点として初動時の消費電力を考慮するという点があります。
例えば、重い荷物を押す時に、最初に一番力がかかり後から楽になるように、モーターを使う機器ではモーターを回す初動時に一番電力を消費します。通常400Wの電力を消費するドライバーがあったとしたら、初動時にはその3倍の1,200Wが必要になるといった具合です。上記の計算例は一例ですが、それぞれの機器で必要となる電力を計算したら、実際には少し多めの電力を消費する想定で電気容量を見積もることになります。

その他、電気の容量の他にインバーターの有無も考慮したいポイントの一つです。

パソコンなどの精密機器のを利用するなら周波数の安定した電気を提供可能になるインバーター機能がついている発電機を選びます。

3. 設置場所を決定する

発電機を設置する物理的なスペースを確保できるかも検討する必要があります。設置場所については屋外、屋内どちらにするかと共に、持ち運びの有無を考慮して携帯タイプ、据え置きタイプも検討したいポイントとなります。

また、設置場所を検討するにあたって発電機から発生する騒音も考慮することをお勧めします。騒音規制法での定めの他に、自治体ごとに公害防止条例で規制がある場合もあるので確認が必要です。最近は騒音を抑えた発電機も発売されていますが、いざ動かしてみると予想以上に音が大きくてびっくりすることがあるようです。

法令、条例の要件をクリアしていても騒音が気になる場合は近隣への影響を考慮して といった対応が必要になるかもしれません。

更に、設置場所は発電機を動かす燃料をどこに保管するのかについても合わせて考慮する必要があります。燃料の保管量によっては消防法などの法規制を考慮する必要がありますので、危険物取扱者、電気工事士などの専門家のアドバイスを受けながら検討するのがおすすめです。

4. 取得方法を決定する

これまでに検討した から導入したい発電機が決まったら、取得方法を検討します。

発電機を用意する場合、取扱会社によっては単純に購入するだけでなく、レンタル、リースといった対応も可能です。それぞれ

購入: 長期的に利用する
レンタル: 初期導入費用の負担を減らし、短期的に利用する
リース: 初期導入費用の負担を減らし、長期的に利用する

といった特徴があります。導入時の資金的な負担を軽減したい場合にはレンタルやリースも検討の余地があるのではないでしょうか。

なお、東京都産業労働局より平成23年7月に中小企業向け電力自給型経営促進支援事業として自家発電設備導入費用助成の案内が発表されています。(記事末尾関連リンク参照)助成要件を満たすと中小企業単独なら助成率で2分の1以内、金額で1,500万円の助成を受けられます。(助成対象期間は平成23年3月11日から平成25年3月31日まで)

上記のような自治体の助成制度を活用して資金的な負担を減らすのも有効かと思われます。

5. 稼働テストを行う

せっかく、用意した発電機もいざというときに動かないとこれまでの準備が水の泡と化してしまいます。BCPを策定するお客様には必ずお伝えしていますが、定期的な演習、訓練で計画の有効性を確認することを忘れてはいけません。発電機も定期的なメンテナンス、稼働テストをとおして必要とされるときに動くように備えることが大事なのです。

冒頭にも記載したように、電気の有無は事業継続の進捗を大きく左右します。発電機の導入がBCPに必須というわけではありませんが、自社の業務内容を検討し、電気を使って機器を一刻も早く稼働させることが事業の継続、復旧に向けたアドバンテージにつながるのであれば、非常用発電機の導入は極めて重要な手段といえるでしょう。

2011年9月29日 (文責:永峯 登喜子

関連リンク 東京都産業労働局: 自家発電設備導入費用助成のご案内
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