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コンサルタント・コラム:「業務棚卸で見える属人化問題」

2010年3月10日
皆さん、こんにちは。ニュートン・コンサルティングの高橋です。

唐突ですが、皆さんの組織で最後に業務棚卸をされたのはいつでしょうか?
J-SOX対応が求められる上場企業は、業務フロー図・業務記述書・RCM
という3点セットを作成し、それを毎年見直すことによって、
財務報告虚偽記載リスクの低減を図っている場合が多いでしょうから、
そういう意味では、毎年業務棚卸を実施していると言えるかも知れません。

私は、J-SOX対応では3点セット作成、ISO9001認証取得の場合は
7章:製品実現を満たすために業務フロー図の作成、
事業継続計画プロジェクト(BS25999認証取得含む)では
事業インパクト分析(BIA)やリスクアセスメント(RA)の際の事業・業務分析と
いったように、業務棚卸のお手伝いをさせていただくことがあるのですが、
この業務棚卸により、企業が抱える問題が浮き彫りになることあります。
私の経験では特に「属人化」の問題がクローズアップされることが多くあります。

以下に、私が経験した、業務棚卸で発見された属人化の問題を3つ挙げます。

1) 特定の個人に依存

業務フロー図を作成する打ち合わせで、「あれはあの人がやっている」・
「これもあの人に聞いてくれ」・「それもあの人しか分からない」というように、
業務(実務)が特定の一人に集中していることがあります。
これは、職務分掌だと言ってしまえば、まあ納得できないことではないのですが、
その特定の一人に業務手順をヒアリングしてみたら、
その方が、その方にしか分からない独自のエクセル表を
たくさん使って業務をこなしていたり(エンドユーザ・コンピューティング:EUC)、
業務手順に多数のパターンがあって、それはその方の長年の経験により、
その方の頭の中には入っているのですが、外からはいわゆるブラックボックス化
していることがあります。

これが、製造現場における職人的業務についてだと話は分かりますが、
受発注業務・決算業務(月締め含む)などでも、業務が属人化されている
ことがあります。改めて言うまでもありませんが、業務の属人化は
不正の温床になりやすいですし、また、その人が突然退職もしくは
長期入院してしまったりすると、その時点で業務がストップしかねません。

2) 一人複数役(職務分掌が整理されていない)

これは①の属人化にも通じることがありますが、職責・職掌が整理されて
いない場合です。見積もり発行->顧客からの注文書の受け取り->
販売管理システムへの受注入力(受注確定処理)->商品の引当->
出荷指示と出荷->請求書の発行->回収という販売活動の一連の流れが、
誰の承認もダブルチェックもなく、一人の営業マンで完結していた
ケースがありました。
また別のケースでは、購買オーダーの発行->受け入れと検収->
買掛の計上という購買の一連の流れが一人の担当者によって行われて
いることもありました。

販売活動や購買活動を最初から最後まで一人でできるとなると、
これも不正に結びつきやすくなります。

このように、本来であれば担当者を分けるべき業務を一人が掛け持ちして
いるのは、「人は悪いことをしないだろう」という性善説に立っていて、
往々にして比較的小さな組織の場合が多いです。しかし残念ながら、
リスクマネジメントという観点からは「放っておいたら人は悪いことをする」
という性悪説によりアプローチしなければなりません。

3) 社長一極集中

これはもうとにかく何から何まで社長が全てを取り仕切っているというケースです。
オーナー社長の企業にありがちです。企業規模が小さいうちはそれでも
いいのかも知れませんが、ある程度の企業規模であるのに、小額の稟議決済・
末端に至るまでの人事権・全ての販売見積り・全ての購買申請と、
とにかく社長が神様のような存在の企業です。

この場合、社長が社内にいなければ滞る業務が多く、大変非効率です。

いかがでしょうか?みなさんの組織でも思い当たるふしはありませんか?
一度、業務棚卸を実施して、この属人化問題に取り組んでみては
いかがでしょうか?

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ニュートン・コンサルティング 高橋 征三

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高橋 征三

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