2020年 IT注目キーワード10

掲載:2020年01月07日

コラム

2020年がスタートしました。皆様、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
今回の記事では、2020年、特に知っておきたいITに関する10のキーワードを解説します。

昨年は「令和」時代が始まり、新たな歴史の幕開けとなる節目の年でした。また、ラグビーワールドカップ2019日本大会が開催され、白熱した試合の数々に日本中が沸いたのも記憶に新しいところです。

このような大きな出来事が続いた2019年ですが、ITについても様々な動きがありました。キャッシュレス決済の普及が進み、PayPayなどのQR決済は多くの人にとって身近なものとなりました。また、コンビニやスーパーで無人店舗の実証実験が行われるなど、AI導入はますます本格化しています。一方で、昨年はGoogleが提供するサービスやAmazon Web Services(AWS)で大規模な障害が発生するというニュースもありました。ITインフラサービスに潜むリスクの大きさをあらためて実感した人も多いのではないでしょうか。

2020年は、いよいよ東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。多くの人々が心待ちにしてきた華やかな祭典の裏で、忘れてはならないのがセキュリティの問題です。大会の開催にあたってはサイバー攻撃が多発する可能性が指摘されており、特に、ターゲットとなる企業や組織を直接狙うのではなく、対策が手薄な取引先などを足掛かりに攻撃を仕掛ける「サプライチェーン攻撃」には注意が呼び掛けられています。

五輪関係以外にも、2020年は「5G」のサービスが開始されるなど、ITやテクノロジーに関わる様々な動きがあることが予想されます。
さっそく10のキーワードを見てみましょう。

         

Post2020

Post2020は「2020年以降の変化」を意味する言葉で、日本が東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催後に迎えるであろう経済における転換期を指します。過去を見ても、オリンピック開催国では開催前に様々な業界で経済活動が活発になり、開催後に経済成長が鈍化することが殆どです。東京オリンピック・パラリンピック競技大会後においても、例えばIT業界ではこれまで大きな投資がなされていた大型開発案件が減少し、それに伴い下請け企業等が費用削減の対象になるといった現象が起こると予測されています。

プログラミング授業

2020年度より新学習指導要領が順次施行され、小中高すべての学校でプログラミング教育が必修化されることになります。プログラミング教育の必修化には、今後ますます深刻化していくと予測されるIT人材不足に歯止めをかける狙いがあり、ITの活用に必要な論理的思考力である「プログラミング的思考」の育成が目的とされます。とはいえ、小学校・中学校では「プログラミング」という科目が新設されるわけではなく、具体的な学習内容は新学習指導要領に基づき教育委員会や各教育現場で定められます。

サーバレスコンピューティング

「サーバレスコンピューティング」とは、サーバを常時起動することなく、トリガー(イベントの発生)によって事前に登録しておいたコードを実行することで何らかの処理を行うことができる仕組みであり、これにより、サーバの管理や運用を意識せずにシステムを構築することができます。Amazon Web Servicesの「AWS Lambda」をはじめ、Microsoft Azure、Google Cloud Platform、IBM Cloudなど、主要なパブリッククラウドサービスで続々とサーバレスのサービスが展開されており、近年急速に注目が高まっています。

5G

「5G」とは「第5世代移動通信システム」を意味する「5th Generation」の略称です。日本では2020年春から、キャリアごとに順次5Gのサービスが開始されます。5Gは4Gと比べ通信速度が格段に速まるため、4Kや8Kなどの高画質な動画も快適に閲覧することができるようになります。また、遅延の大幅な短縮により離れた場所でもリアルタイムに近い通信ができるようになるほか、多数同時接続が可能になることでIoTでの幅広い活用ができるようになるなど、多くのメリットが期待されます。

デジタルリテラシー

「デジタルリテラシー」とは、インターネットを中心とするデジタル情報や情報技術、機器についての知識を持ち、利用する能力(リテラシー)を指します。なお、インターネットやパソコン等の情報通信技術を利用できる者と利用できない者との間には個人および地域・国家レベルで様々な格差が生じることが指摘されており、このような格差は「デジタル・ディバイド(情報格差)」と呼ばれ、近年問題となっています。

マルチエクスペリエンス

マルチエクスペリエンスは、VR(仮想現実)やAR (拡張現実)、MR(複合現実)によって人間が現実世界だけでは体験できない多様な経験や体験を得ることを意味します。CGで作られたキャラクターなどを現実世界に反映させる「ポケモンGO」は、AR技術を使用したゲームの代表例として挙げられます。

自動車のCASE

自動車産業の変革を示すキーワードとして注目されている「CASE(ケース)」は、「Connected(コネクティッド)」「Autonomous(自動運転)」「Shared/Service(シェア/サービス)」「Electric(電動化)」の4つの頭文字からとられた造語です。2016年にダイムラーのディーター・ツェッチェCEOが中長期戦略を発表した際に使用した言葉で、従来の自動車メーカーからモビリティサービスを提供する会社へと転身する姿勢を示しています。日本でもトヨタ自動車が「モビリティ・カンパニー」へのモデルチェンジを表明し、本田技研工業(ホンダ)では日本初の自動運転レベル3搭載車を夏に発売予定にしているなど、「CASE」をめぐる技術改革が進んでいます。

分散型クラウド

分散型クラウドとは、特定の事業者やサーバにデータの管理を委託する従来の中央集権的なオンラインストレージとは異なり、ピアツーピアネットワーク(P2P)を使用してデータを分散して保存する仕組みをいいます。従来型の中央集権的なオンラインストレージでは、データが事業者のサーバで集中管理されるため、データの流出や不正に閲覧されるなどのリスクがありました。これらのリスクを抑えることができる分散型クラウドは、将来的に従来のオンラインストレージに取って代わる可能性があるものとして期待されています。

量子コンピューティング

量子コンピュータは、通常のコンピュータをはるかに凌ぐ計算能力をもつ次世代のコンピューティング技術として期待されています。通常のコンピュータでは情報の基本単位「ビット」で0または1の状態を表して2進法で演算を行うのに対し、量子コンピュータは状態の「重ね合わせ」という量子力学的な基本性質を用いることで2つ以上の状態を同時に表すことができ、膨大な量の計算を高速で行うことが可能とされます。量子コンピューティング技術は従来のコンピュータでは解決できない問題や、時間がかかる問題を処理できる技術として、実用化に向けた研究開発が進められています。一方で、その圧倒的な処理能力のため、既存のセキュリティソリューション、例えば暗号化が瞬時に無効化される可能性が指摘されており、この対応も待たれます。

AIセキュリティ

IoTやクラウド・コンピューティング、マイクロサービスなどのシステムを狙ったサイバー攻撃のリスクはますます増加しつつあり、セキュリティ強化の重要性はいっそう高まっています。こうした中、膨大な量のデータ分析によるマルウェアの検出やログの監視・解析など、AIを活用したセキュリティ対策を強化することが重要になっています。また、近年では攻撃者側もAIを利用しつつあり、AI搭載システムの保護や、AIが悪用されるリスクに備えた対策をとることも重要になっています

このような大きな出来事が続いた2019年ですが、ITについても様々な動きがありました。キャッシュレス決済の普及が進み、PayPayなどのQR決済は多くの人にとって身近なものとなりました。また、コンビニやスーパーで無人店舗の実証実験が行われるなど、AI導入はますます本格化しています。一方で、昨年はGoogleが提供するサービスやAmazon Web Services(AWS)で大規模な障害が発生するというニュースもありました。ITインフラサービスに潜むリスクの大きさをあらためて実感した人も多いのではないでしょうか。

2020年は、いよいよ東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。多くの人々が心待ちにしてきた華やかな祭典の裏で、忘れてはならないのがセキュリティの問題です。大会の開催にあたってはサイバー攻撃が多発する可能性が指摘されており、特に、ターゲットとなる企業や組織を直接狙うのではなく、対策が手薄な取引先などを足掛かりに攻撃を仕掛ける「サプライチェーン攻撃」には注意が呼び掛けられています。

五輪関係以外にも、2020年は「5G」のサービスが開始されるなど、ITやテクノロジーに関わる様々な動きがあることが予想されます。
さっそく10のキーワードを見てみましょう。

 

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