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ITガバナンス用語集 : キャパシティ管理

キャパシティ管理とは必要なリソースを最適なコストで提供するプロセス

キャパシティ管理とは、ビジネスが必要とするキャパシティを予測・監視し、最適なコストで改善に結びつけるプロセスです。キャパシティというとハードディスクやメモリなどの「容量」という言葉を思い浮かべる方が多いと思いますが、ITILのキャパシティ管理ではリソースとパフォーマンスという言葉に置き換えるとより理解しやすくなるかと思います。

ビジネス需要と技術をつなぐ3つのサブプロセス

キャパシティ管理は非常に技術的な内容を含むプロセスですが、常にビジネス需要に対して過不足のない最適なキャパシティを提供することを主眼に置いています。この“ビジネス需要”を最適なキャパシティの提供という“技術”に落とし込むために3段階のサブプロセスが定義されています。

1. 事業キャパシティ管理

計画・導入に関わる部分であり、ITサービスが将来必要とするリソースとパフォーマンスを予測し、必要となるキャパシティを計画、実装するプロセス。

2. サービス・キャパシティ管理

運用中のパフォーマンスを常に監視し、SLAなどの目標値を達成するよう改善していくプロセス

3. コンポーネント・キャパシティ管理

個別のコンポーネント(ハードディスクやメモリ、CPU等)の利用率の傾向やパフォーマンスを監視し、リソース不足などの問題を未然に防止するプロセス。

具体的な測定項目と推奨しきい値

事業キャパシティ、サービス・キャパシティと違い、コンポーネント・キャパシティの監視項目は常に明確です。以下は一般的な測定項目例です。 どの事業分野の企業でもほぼ同様の測定項目を用いていると考えてよいでしょう。

ちなみにMicrosoftが公開している監視項目に対する推奨しきい値を関連リンクに表示しておきます。

プロセスを支える4つの活動

キャパシティ管理のプロセス

ITILのキャパシティ管理では前述した3つのサブプロセスを以下の活動を通して維持管理していきます。

余裕のあるシステム設計が招く負の傾向

システム設計時にはストレージやメモリが以前と比べ安価になってきたこともあり、過剰に余裕のある設計を実施する企業が多々見受けられます。これはシステムが安定稼働することを考えれば間違ったことではありませんが、無駄な費用が発生することに加え、キャパシティに関する無関心を招く恐れがあります。ファイルサーバに無制限に不要なファイルを保管し続けるといったこともその一例でしょう。

幸いキャパシティ管理は前述したように非常に技術的なプロセスなので、監視ツールやクオータ設定(*1)を利用して自動化することが可能です。極力負荷を軽減するためにツールの有効利用をお勧めします。

*1 各ユーザに対し使用可能なサイズの上限を設定する機能

キャパシティ管理の有効性を図る指標となるKPI

キャパシティ管理が有効に機能しているかどうか、活動が成功したかどうか、などを具体的かつ客観的に測る指標が、「KPI:重要業績評価指標)」です。以下のような項目を評価することによってキャパシティ管理プロセスのサービスへの貢献度合いを確認でき、改善につなげることができます。

様々な規格に登場する「キャパシティ管理」

キャパシティ管理は、「ITガバナンス」、「IT運用管理」のいずれにおいても中核を担うコントロールになります。

以下に、代表的な構成管理の位置づけについて挙げておきます。

ISO/IEC ISO27001-1:2005 6.5 キャパシティ管理
ITIL Ver3 サービスデザインの主要プロセスの1つとして言及
COBIT4.1 Delivery and Support 3.パフォーマンスとキャパシティ

(文責:内海 良

関連リンク Microsoftの監視項目に対する推奨しきい値
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