サイバー攻撃、自然災害、地政学リスク―。さまざまなリスクの脅威が高まる中、企業のレジリエンス力を向上させるためには実効的なBCP訓練が不可欠です。しかし、多くの企業が、訓練の重要性を理解していながらも「ノウハウが足りない」「多数の拠点に展開するためのリソースが割けない」「訓練がマンネリ化している」といった課題を抱えています。そこで、ニュートン・コンサルティングは、2025年5月にBCP・サイバー訓練ツール「dan-lo」をリリースしました。AIを活用した訓練シナリオを作成し、訓練内容の配信・評価までをワンストップで行うことができます。

当社20年目の節目に、dan-loはリリース1周年を迎えます。CSO 兼 dan-lo事業部長/エグゼクティブコンサルタントの久野 陽一郎が、この1年を振り返りながらサービスの現在地と展望を語ります。

CSO 兼 dan-lo事業部長/エグゼクティブコンサルタント

久野 陽一郎

危機管理、BCP、ERM、ITガバナンスなどプロジェクトを幅広く担当し、国内外500社以上の支援実績をもつ。日英バイリンガルを活かしたリスクマネジメントのグローバル展開支援も高い評価を得ている。現在はBCP・サイバー訓練ツール「dan-lo」の責任者を務める。

目次
  1. 「生」の知見とテクノロジーを掛け合わせた、ニュートンならではの訓練ツール
  2. 導入実績は300社を突破。組織を一つにする演習を提供中
  3. 複雑なリスク環境を突破するカギは「リスクマネジメントのデジタル化」

「生」の知見とテクノロジーを掛け合わせた、ニュートン
ならではの訓練ツール

dan-loは、2,300社の支援実績をもつニュートン独自の知見と、最新のAI技術とを掛け合わせた演習ツールです。構想期間は6年半。AI技術の飛躍的な進展を背景に、昨年リリースに至りました。

dan-loには主に3つの強みがあります。

1つ目は、AIを活用し、自社に最適な訓練シナリオを作成できることです。2026年1月現在、地震、水害、富士山噴火、火災、ランサムウェアの5種類をテーマとしたシナリオテンプレートをご用意しています。それぞれのシナリオは、各分野の専門コンサルタントが監修。最新の脅威動向を踏まえた内容になるよう、適宜アップデートしています。また、自社のBCP方針書などをAIに読み込ませることで、自社環境を反映したオリジナルのシナリオを作ることも可能です。

2つ目は、訓練の終了後にAIが実施内容を評価し、課題抽出をサポートする点です。社内でBCP訓練やサイバー訓練を実施する場合、ファシリテーションや課題の分析において、事務局には高い専門性が求められます。この点が理由となって訓練実施のハードルが上がってしまい、なかなか実行に移せない企業も多いと思います。dan-loをご活用いただければ、AIが訓練での実施内容を適切に評価するため、専門知識が十分でない訓練初心者でも訓練を運営することが可能です。

なお、訓練実施後に、抽出された課題に対してBCPの再構築を図る際には、もちろんコンサルタントが直接サポートすることも可能です。dan-lo活用とコンサルタントによる助言、その両方を兼ね備えたハイブリッドな支援体制をご用意しています。

3つ目の強みは、組織と個人の両方の危機対応力向上が可能という点です。集合訓練は、拠点の中核メンバーが、対応方針を議論するのに適しています。支店や店舗、工場など拠点を多数もつ企業におすすめです。本社BCP事務局の皆様が全拠点を回らなくても、各拠点で同じクオリティの訓練を実施することができます。このことで拠点間の実効力の差を解消し、組織全体の危機対応能力を向上させることが可能になります。また、各拠点が「自分たちの力で効果的な訓練ができた」という自信につながり、BCPの自分事化を全社で促進することにもつながります。

個人訓練機能は、「自社のルールや対応を、隙間時間に訓練を通して身に付けたい」という現場層に適しています。

ニュートン・コンサルティングが現在進行形で蓄積している「生」の知見と、最新のAIテクノロジー。dan-loはその両方を掛け合わせ、実効性の高い演習をご提供しているのです。

図:その課題、dan-loで解決します!

導入実績は300社を突破。組織を一つにする演習を提供中

サービスのリリースからもうすぐ1年。より多くの方にdan-loを知ってもらうべく、展示会などのイベントにも積極的に出展してきました。すでに300社、8,000ユーザーの皆様にdan-loをご利用いただいており、業種の幅は金融、製造、食品業界など多岐にわたります。

お客様がdan-loを用いて訓練に取り組まれている様子を拝見していると、議論が活発に行われていることがわかります。集団訓練では、各シナリオで付与された状況に対して、どのように対応するかを自由記述式で記入することになるので、参加者間での意見交換が自然に生まれています。

また、AIによる評価も皆様熱心に受け止め、大いに盛り上がっています。その場で抽出された課題は、「今後どのようにアプローチしていくべきか」という議論にもつながっています。「AIが評価」というと、機械的に指摘されるイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、dan-loは点数だけでなく、文章でフィードバックをおこないます。良かった点も必ず挙げてくれますので、親しみを持っていただけると思います。

dan-lo画面
▲dan-loを用いた集団訓練の様子(イメージ)。

複雑なリスク環境を突破するカギは「リスクマネジメントの
デジタル化」

dan-loを活用いただいたお客様からは、「より手軽かつ効率的に、質の高い演習を実施できるようになった」「これまで気づけなかった自組織の課題が可視化できた」といったお声を頂戴し、大変うれしく思います。

一方、企業を取り巻くリスク環境が複雑化している中で、シナリオテンプレートのバリエーションはまだまだ足りていません。今後は地政学リスクや、ランサムウェア攻撃以外のサイバー攻撃など、新たなシナリオテンプレートも順次開発・追加する予定です。

加えて、よりリアルで時流に沿った演習をご提供できるよう、実際に発生した事例に基づいた「生きたシナリオ」も積極的に配信していきます。直近の例を挙げると、ランサムウェア攻撃のシナリオについては、実際にとある企業で起こったサイバー攻撃の事例を踏まえ、その企業が公表している情報をもとにテンプレート内容をブラッシュアップしました。

有事に速やかな対応を行い、不確実な時代を生き抜くには、経営層も現場社員も、本社も支社も、組織が一丸となってリスク対応力を底上げすることが重要です。そして、それぞれの場所/立場で働く方々をつなぐうえでは、デジタルツールの活用が欠かせません。つまり、これからの時代は「リスクマネジメントのデジタル化」がカギとなるのです。その手段の一つとしてぜひdan-loをご活用いただきたいと思います。

危機に備える。BCP・サイバー訓練ツール dan-lo 特設サイトはこちら