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岩手・宮城内陸地震後、中小企業の震災対策が加速

掲載:2008年06月20日

執筆者:取締役副社長 兼 プリンシパルコンサルタント 勝俣 良介

コラム

四川大地震から1ヶ月も経っていないうちに起きた岩手・宮城内陸地震ですが、被災企業は自らの震災対策の甘さを痛感し、早くも事業継続のための対策に乗り出しているとのことです。

震災対策の重要性

震災対策としてマニュアルを完備し、訓練は十分におこなっていた企業でも、震度6の揺れは想定しておらず、想定外の事故が発生している場合もあります。そうした企業では事業復旧に1ヶ月を見込んでいるとのこと。

一方で、全国では早くから「防災連携」に取り組んでいる企業群もあります。災害時に別地方にある提携企業に生産協力を仰いだり、生産能力が低下したときに資金調達の便を図るなど、様々な観点での連携を準備しています。

また、自社内の生産能力を複数拠点に分散することでリスク回避をおこなっている企業もあります。いかなる時も3割以上の供給能力を提供するよう取引先から求められているからです。

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この件について明らかな事実が2つあります。

1つは、“災害は決してなくならないものだ”ということです。

つまり、災害が起こらないような努力をすること以上に、起こってしまうことを前提に、災害とどう上手につきあっていくかを考えておくことが非常に重要だということです。この考えから生まれたものが、事業継続計画(BCP)であり、事業継続管理(BCM)です。

そして、もう1つの事実は、企業や人をつき動かす一番のきっかけは、悲しいかな、やはり実体験であるということです。

専門家の中には「全国民・全企業が身をもって体験できるような災害が起こってくれることが、将来起こるであろう大災害に対する最も有効な予防策の1つだ」とおっしゃる方もいます。さすがにこのような発言は不謹慎ですが、少なくとも、このような被災体験を出来る限り多くの人たちと共有する機会を設けることは非常に大事だと考えます。被災された方々の教訓を元に、より多くの企業が事業継続管理(BCM)の重要性について再認識していただければと思います。

【日経新聞】
http://www.nikkei.co.jp/news/tento/20080618AT1S1700217062008.html より
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