「災害発生時における大規模な帰宅困難者等の発生への対策に関するガイドライン」を公表、遠地地震や鉄道運休に対応 内閣府
内閣府は1月20日、大規模な帰宅困難者が発生する際のガイドラインを改定し、ガイドライン名称も「災害発生時における大規模な帰宅困難者等の発生への対策に関するガイドライン」に改称して公表しました。従来は都市圏での大規模地震発生に伴う帰宅困難者等対策を主に対象としていましたが、2025年7月30日にカムチャツカ半島東方沖を震源とする津波が発生し鉄道運休のために多数の帰宅困難者が発生した教訓を踏まえ、対策の対象を国内の大規模地震に限らずさまざまな要因で交通網が麻痺するケースへと拡大しました。
帰宅困難者等対策のガイドラインは、東日本大震災を機に策定されました。当時、首都圏では多数の帰宅困難者等が発生、徒歩やマイカーで帰宅しようとする人たちで道が溢れかえり救助活動の妨げになるなど混乱が生じたためです。
一方、地震の揺れによる被害がない状況でも交通網が麻痺し大規模な帰宅困難者が発生することがあります。具体的には2025年7月のカムチャツカ半島東方沖を震源とする津波に伴う鉄道運休、大阪・関西万博(2025年)における地下鉄運休に伴う帰宅困難者の発生といった事例です。
新たなガイドライン「災害発生時における大規模な帰宅困難者等の発生への対策に関するガイドライン」では、2部構成を採用しました。第1部を従来の内容(=大規模地震発生時)とし、第2部に遠地地震による津波や暴風・豪雨・積雪などの気象災害、大規模停電・通信障害――を要因とする帰宅困難者等対策を盛り込みました。
大規模地震発生時では従来どおり「むやみに移動を開始しない(一斉帰宅抑制)」を基本原則とします。企業に対し従業員を事業所内に待機できるよう、備えの充実を求めています。
一方、日本への津波到達まで時間的猶予がある「遠地津波」や、予測可能な気象災害の場合、企業には一斉帰宅抑制ではなく、交通機関が停止する前の「早期帰宅の呼びかけ」や「出勤抑制」を呼び掛けるよう明記しました。ガイドラインでは、津波警報発表から鉄道の運転抑制(計画運休)までのタイムラインを想定し、従業員を速やかに帰宅させるか、自宅待機させる判断を企業が行うように促しています。
大阪・関西万博での事例を踏まえた対応として、大規模イベント開催時や集客施設において帰宅困難者が発生した場合を盛り込みました。主催者や施設管理者である企業に対し、来場者の保護を求めます。具体的には、周辺にある一時滞在施設への誘導体制の整備や、施設内での待機に備えた水・食料、携帯電話充電用の電源確保などを推奨しました。