山火事や森林火災(林野火災という)の予防のため、気象庁と総務省消防庁、林野庁は連携して火の取り扱いに対する注意喚起を今年1月から強化しました。大規模な林野火災の発生は1~5月に集中しています。林野火災は雨が少なく空気が乾燥していたり、強風が吹いたりしていると発生、延焼しやすくなります。特に山間部では、消防隊の立ち入りが難しく消火活動が困難なため、「林野火災注意報」や「林野火災警報」が発令されている場合にはその内容に従い、屋外での火の使用を控えるよう呼びかけます。
強化された取り組みは主に4つです。
第1に、気象庁が「少雨に関する気象情報」を1~5月にかけて発表する際、林野火災を明示して火の取り扱いに注意するよう呼びかけます。これまでは林野火災を明示するような情報提供はしていませんでした。
第2に、少雨の地域に全国的な広がりがある場合には、気象庁は総務省消防庁と林野庁とともに合同記者会見を開きます。気象状況などを解説した上で林野火災への注意喚起を行います。
総務省消防庁は林野火災の原因の多くがたき火や火入れ(野焼き)といった人為的なものであるという調査結果に基づき、火の取り扱いについて注意を呼びかけます。総務省消防庁の通知によって今年1月から自治体では「林野火災注意報」や「林野火災警報」を発令するようになったことも周知します。
林野庁は、土砂災害の防止や水源のかん養など、森林がさまざまな働きを持つなか、火事で森林を一度失うと再生するまで長い年月を要し、その間に土砂災害などの二次被害につながる可能性などを周知します。
今年1月22日には、初の合同記者会見が開かれました。東日本太平洋側や西日本の広い範囲で、降水量がかなり少ない状況であり、今後1カ月程度はまとまった降水にはならない見込みと発表。自治体から林野火災警報や林野火災注意報が発令されているときは、屋外での火の使用を控えるよう呼びかけました。
取り組みの3つ目は「林野火災予防ポータルサイト」の開設です。こちらは昨年12月17日に公開され、乾燥注意報や強風注意報の発表状況、降水量などの各種気象情報を一元的に集約しています。
取り組みの4つ目はSNSなどでの情報発信の強化です。記録的な少雨時や林野火災の多発時にX(旧Twitter)などを通じた注意喚起を行います。
気象庁と総務省消防庁、林野庁の取り組みは、2025年2月26日に発生した岩手県大船渡市の林野火災を教訓としています。大船渡市での大規模林野火災では1964年以降最大となる約3,370ヘクタールを焼損、死者1名のほか、226棟の建物被害などが発生しました。鎮火までに41日間を要し、産業などの被害額は100億円以上とされています。