在宅避難者や広域避難者へも支援を拡充、「東京都避難者生活支援指針」素案で意見公募 東京都
首都直下地震などの大規模災害を見据え東京都は、避難生活を包括的に支援するための新たな指針「東京都避難者生活支援指針」の素案(以下、指針案)を策定し、意見公募を開始しました。意見の受け付けは3月10日まで。指針案は、都と区市町村とが連携して避難者を支援する体制を整備するための手引書との位置づけであり、区市町村に対しては避難者を支えるための備えを整えるよう求めています。
指針案は昨年3月に策定した「東京都避難所運営指針」を踏まえ、避難所が備えるべき基準を示したほか、「在宅避難」や広域避難となる「被災地外避難」といった避難を選択した都民が適切な行政支援を受けることができるよう、具体的な取り組みを記したガイドラインが含まれています。
全4編で構成されています。第1編「避難者の生活支援に関する基本的な考え方と進めるべき主な取組」において過去の災害における課題を整理した上で、都として目指すべき目標や基準を明確に示しました。避難生活を「避難所避難」、「在宅避難」、「被災地外避難」の3つに分類し、避難所以外の場所にいる人への支援も明確に位置付けました。
続く第2編から第4編までは3つに分類された避難場所ごとの具体的な行動指針を示すガイドラインとなっています。なお、第2編「避難所避難者等への支援ガイドライン」は昨年3月に東京都が策定した「東京都避難所運営指針 第2編」を収録したものです。一人あたり3.5平方メートル以上とする国際的な「スフィア基準」に準拠した生活空間の確保、トイレ・食事・入浴といった避難所での生活の質の向上、女性や要配慮者への対応、ペットの受け入れ体制など、都が示した基準を達成するために検討・実施すべき事項や、さまざまな自治体の取り組み(好事例)が示されています。避難所運営の実務に使えるチェックリストや各種書類のテンプレート集も用意されています。
第3編「在宅避難者の生活への支援ガイドライン」では、都内で多数派となると予想される「在宅避難」について規定しています。都内ではマンションなどの耐震化が進み住宅の耐震化率は92%に達していることから、多くの都民が自宅で生活を続けると想定しています。このため避難所へ行かなくても水や食料などの物資を受け取れる「支援拠点」の整備や、アプリなどを活用した安否確認の仕組み、タワーマンションなどでエレベーターが停止した場合に備え、階段で荷物を運ぶための機材配備といった取り組みを進めるよう推奨しています。
第4編「被災地外避難者の生活への支援ガイドライン」では、自治体間協定による受け入れ体制の構築を進めることや、親戚宅や他県自治体へ移動した避難者に生活再建に関する情報などを提供するため、デジタル技術を活用した情報発信を行うよう求めています。