内閣府は3月2日、昨年12月に初めて発表された「北海道・三陸沖後発地震注意情報」に関するアンケート調査の結果を公表しました。この注意情報は対象地域があらかじめ定められており、今回の調査ではその地域内の事業者、自治体、住民を対象に発表当時の対応状況などを尋ねました。
調査は今年1月から2月にかけて実施。対象は事業者101社、自治体189団体(※1)、住民3,500人でした。事業者には、指定公共機関(※2)のほか、鉄道・バス・船舶・航空・運輸・観光などの業種が含まれています。
調査結果によると、北海道・三陸沖後発地震注意情報が発表された当時の対応について、「概ね円滑に行えた」と回答した指定公共機関は93%に上りましたが、指定公共機関以外の事業者では58%にとどまり、「想定通りの円滑な対応はできなかった」との回答も31%ありました。
この対応の差の背景には、「防災対策推進計画」(指定公共機関以外は「防災対策計画」)の策定状況が関係している可能性があると指摘されています。これらの計画は、「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」に基づく基本計画に沿って策定が義務付けられています(指定公共機関以外では、水深30cm以上の浸水が想定される区域で施設や事業を管理・運営する対象企業)。企業は推進計画(対策計画)などの中に北海道・三陸沖後発地震注意情報発表時の対応を規定する必要があります。
しかしこれら計画を策定した上で、北海道・三陸沖後発地震注意情報が発表されたときの対応まで記載していると回答したのは、指定公共機関で68%だったのに対し、指定公共機関以外では15%に留まりました。別途マニュアルなどで準備していた事業者を含めても36%に留まっています。
指定公共機関以外では、計画はあるものの「発表時の対応は記載がない」(19%)、「計画自体を定めていない」(14%)という実態がわかり、内閣府は計画策定や発表時の対応を記載するといった事前の備えを進めることが重要だと記しています。なお、事業者向け調査は交通インフラ関係企業の回答が多く、全産業を代表する数値ではない点に留意が必要としています。
自治体(対象189団体)への調査でも、特別措置法に基づいて防災対策推進計画を定めている自治体は対象の約7割にとどまり、南海トラフ地震臨時情報の対象地域における策定率よりも低い水準にあるとされました。また、注意情報発表時の住民への防災呼びかけについては、計画を策定している自治体の方が、未策定の自治体よりも円滑に対応できたと示唆されています。
一方、住民3,500人に対する調査では、「日頃の備えはないが、特に何もしていない」が35%、「日頃からの備えがあるため、特に何もしていない」が22%となり、半数以上が特別な行動を取らなかったことがわかりました。
その一方、「枕元に防災グッズを置くなど、すぐに逃げられる態勢をとった」(8%)、「食料・水を備蓄・確認」(24%)、「津波ハザードマップを確認」(18%)、「住まいの指定緊急場所・避難所、避難経路を確認」(13%)といった具体的な行動を取った人も一定数いました(複数回答可)。
※1 182市町村と1道6県を併せた189の地方公共団体。
※2 指定公共機関は災害対策基本法において定められています。日本赤十字社や日本放送協会(NHK)などの公的機関のほか、電気、ガス、輸送、通信、流通などの公益的事業を営む法人が対象で内閣総理大臣が指定します。