内閣府はこのほど、市町村による避難情報の発令基準などをまとめた「避難情報に関するガイドライン」を改定し、公表しました。今年の5月下旬ごろから「新たな防災気象情報」の運用が開始されることに伴い、ガイドラインにおいて名称の変更や新しい情報の活用方法について追記しています。
「避難情報に関するガイドライン」とは、市町村が住民向けに避難情報を発令する際の基準や防災体制などを定めたものです。市町村は、国や都道府県から発表される防災気象情報(警戒レベル相当情報)を判断材料として避難情報を発令しています。ガイドラインは主に市町村の首長や防災担当者向けにまとめられています。
「新たな防災気象情報」は、市町村が発表する「5段階の警戒レベル」との対応がわかりにくかった従来の情報体系の課題を解消するために導入されます。警戒レベルとは、災害発生の危険度と、取るべき避難行動を直感的に理解するための情報です。市町村長は住民に対して「高齢者等避難(警戒レベル3)」や「避難指示(警戒レベル4)」といった、取るべき避難行動を発令します。新たな防災気象情報では、この警戒レベルとの整合性が図られています。
具体的には、「レベル4大雨危険警報」や「レベル4氾濫危険警報」のように、防災気象情報の情報名そのものに警戒レベルの数字が明記されます。改定されたガイドラインでは、この新体系の情報を市町村がどのように受け取り、避難情報の発令に結び付けるかという対応が整理・反映されました。
気象庁は2026年度から「時系列情報(明日までの警報等の見通し)」を提供するとしています。これは、市町村ごとに「いつ警報級の危険が迫るか」を3時間ごとに可視化したタイムライン情報です。1日4回(5時、11時、17時、23時)更新され、気象庁のホームページで常時表示される予定です。「いつ頃警戒が必要になるか」を把握しやすくすることが狙いであり、この情報の活用についても追記されました。自治体や施設管理者が早めに防災体制を整えたり、避難情報の発令や避難支援のタイミングを検討したりするための判断材料となります。
このほか、2025年7月に発生したカムチャツカ半島付近の地震などを踏まえ、津波避難情報の解除にあたっての留意点が追記されました。カムチャツカ半島沖地震では、津波警報などが解除され災害が発生するおそれがなくなったにもかかわらず避難指示が継続され、公共交通機関の運行再開に支障が出ました。被害が確認されない場合には速やかに避難指示を解除するよう明記されました。