SSBJハンドブック、温室効果ガス排出ルール改正を反映した「Ver. 2.0」を公開 SSBJ
サステナビリティ基準委員会(SSBJ)事務局は3月末、温室効果ガス排出の開示に対する改正を反映させたSSBJハンドブック「Ver. 2.0(第2版)」4点を公開しました。また、新たに3点のSSBJハンドブックも公開しました。
温室効果ガス排出の開示に対する改正とは、SSBJが3月13日に公表したサステナビリティ開示基準の改正のことです。国際的な基準(IFRS S2号)の修正に対応しました。この改正は企業の開示負担を軽減する目的で行われました。主に以下の3点が変更されています。
- 投融資先の排出量(ファイナンスド・エミッション)のルールの明確化・緩和
金融機関は、自社だけでなく「投融資先の企業」が出す温室効果ガス(ファイナンスド・エミッション)も計算して報告するよう求められています。計算が非常に複雑な「デリバティブ(金融派生商品)」に関連する排出や、保険などの特定の活動による排出を、開示対象から除外できることが認められました。
- 産業分類システムの指定解除(GICS使用要件の削除)
投融資先の排出量を「産業別」に分けて開示する際、これまでは「世界産業分類基準(GICS)」という特定のコードを用いることが求められていました。しかし、これにはライセンス料の支払いや追加コストが生じる懸念があったため、要件が削除され、自社にとって有用で一般的に用いられる他の分類システムを自由に選択できるようになりました。
- 日本独自の計算ルール(温対法など)を使える「救済措置」の拡大
温室効果ガスの計算には厳密な国際ルール(GHGプロトコル)や最新の係数(地球温暖化係数など)を使うのが原則ですが、日本には既に「温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)」に基づく独自の報告制度(SHK制度)が存在します。企業が二重計算の負担を負わないよう、「企業全体」だけでなく「国内の事業所など企業の一部」であっても、日本の法律に基づく計算方法や係数をそのまま使ってよいという救済措置が追加・明確化されました。
上記のルール改正を前提とした内容にするため、以下の4文書が「Ver. 2.0」に改訂されました。
SSBJ基準用語集▽スコープ3温室効果ガス排出の測定方法及び開示▽地球温暖化係数(GWP)▽温室効果ガス排出の測定に用いる排出係数
他方、これらの改訂とは別に、以下の3つのSSBJハンドブックが新たに公開されました。
(1)2段階開示を行うことを選択する場合の留意事項(2)契約証書に関する情報とマーケット基準によるスコープ2温室効果ガス排出量のいずれを開示するかの選択の単位(3)ファイナンスド・エミッションの測定が求められる場合及びファイナンスド・エミッションに関する追加的な情報の開示が求められる企業や活動の範囲
(1)では、いわゆる「2段階開示」を行う際の手続きや注意点を解説しています。2段階開示は、有価証券報告書を提出した後に、訂正報告書として詳細なサステナビリティ情報を追加で開示するというもので、SSBJ基準の適用開始から2年間の経過措置として選択できます。