内閣府は3月30日、富士山の大規模噴火によって懸念される広範囲への火山灰被害(広域降灰)や、溶岩流といった多様な火山災害に対し、国民一人ひとりが備えるための新たな啓発資料を公開しました。首都圏での降灰対策の議論がこれから本格化することを見据え、日頃から火山災害を念頭に備える必要性を強調しています。
内閣府は2025年3月に「首都圏における広域降灰対策ガイドライン」を公表し、対策の方向性を示してきました。さらに今年3月には、内閣府と東京都が共同で「首都圏における広域降灰対策具体化協議会」を設置し、第1回会合を開催しました。同協議会では東京都をモデルケースとし、富士山噴火時の降灰分布や影響に関するシミュレーションに基づく災害リスク評価を踏まえ、関係機関が連携して広域降灰対策の具体化を進めていきます。
富士山の大規模噴火に伴う首都圏への広域降灰という事態が、現実的な課題として見据えられ関係機関の対応が急がれる機運のなか、一般市民の理解と備えを促す取り組みとして今回の啓発資料は作成、公開されました。
新たに公開された資料は、動画「富士山の大規模噴火と広域降灰への対策―日頃からの備えを日常に―」、マンガ「火山災害への備え―知っておきたい火山現象と対策―」、リーフレット「火山灰への備え」の3点です。また、既存のリーフレット「火山への登山のそなえ」も更新されました。
公開された動画や漫画などでは、降灰時には交通網への影響から物資の配送が滞り、生活物資の入手が困難になる可能性を指摘しています。そのため、自宅での生活継続が長期化することを見据え、水や食料のほか、防塵マスクや安全ゴーグルといった降灰対策特有の物品の備蓄を推奨しています。また、降灰量に応じて発生する、道路の通行不能や鉄道の運行停止、停電といったインフラへの影響や、取るべき行動についても詳しく解説されています。
内閣府は、「#防災を日常に」というキーワードとともに、「大規模噴火はいつ起きるか分からない」とした上で、遠方まで広い範囲に影響を及ぼす可能性のある火山灰への対策を日常から進めるよう呼びかけています。