気象庁はこのほど、地震や津波、火山災害発生時の実践的な対応力を養うeラーニング教材「地震・津波から命を守る」および「火山災害から命を守る」を公開しました。個人や自治体(居住地域)での学習に加え、教材を応用することで企業での研修にも活用できる内容となっています。
教材は、「動画による基本知識の学習」「ワークシートによる備えの整理」「グループワークによる意見交換」の3段階で構成されています。それぞれに必要な時間の目安も提示されており、組み合わせて「1時間の研修」として実施することもできます。
まず、地震や津波、火山による被害の特徴や取るべき行動など、命を守るための基礎知識を動画で学びます(約20分)。次に、各自のハザードマップを用いて周辺のリスクや避難場所、家具の固定状況などをワークシートに記入し、災害リスクや日頃からの備えを可視化します(約30分)。教材は、地震・津波編では「自宅や身の回り」を想定し、火山災害編では「火口周辺に近づく登山者」と「火山のふもとにお住まいの方」の2つのケースを想定して作られています。対象を「自社の事業所」などに置き換えて、事業所周辺のハザードマップを用いて職場のリスクを確認するといった応用も可能です。なお、防災対応の知識がある場合はワークシートの記載から始めることもできます。
最後に、作成したワークシートを持ち寄ってグループワークを行うことを推奨しています。参加者同士で、地震・津波に関する「緊急地震速報を見聞きしたときの対応」や「強い揺れが収まった後の行動」、火山に関する「登山中の解説情報(臨時)や噴火速報受信時の対応」や「噴火警戒レベルが引き上げられた場合の対応」について意見交換を行うことで、一人では気づかなかったリスクや他者の有効な備えを共有し、理解を深めることができます。ウェブ会議ツールなどを活用し、参加者が取り組みやすい方法で実施することも推奨しました。
教材を実際に活用してもらうための工夫として、そのまま投影できるスライド資料のほか、防災研修の進行役が使うシナリオまでもが無料で提供されています。シナリオには具体的な進行手順や参加者への声かけのポイントなども詳細に記載されており、経験がなくても実践できるよう配慮されています。