5月29日から新しい防災気象情報の運用が始まります。線状降水帯についても、「気象防災速報(線状降水帯直前予測)」といった新たな情報が発表されるようになります。
気象庁は現在、線状降水帯の発生について「顕著な大雨に関する気象情報」と「線状降水帯による大雨の半日程度前からの呼びかけ」の2つの情報を発表しています。前者は「線状降水帯が発生した」とする情報であり、後者は線状降水帯による大雨の可能性がある程度高いと予想された場合に半日程度前から発表する情報です。線状降水帯による大雨の危機感を伝えるため、5月29日以降は新たに、発生の2~3時間前を目標に危険を知らせる「線状降水帯直前予測」を発表し、時系列に沿って3段階で情報を提供する体制へと移行します。
さらに、これまで気象情報として発表されていたさまざまな情報は整理され、今後の見通しなどを網羅的に解説する「気象解説情報」と、極端な現象を速報的に伝える「気象防災速報」の2種類に分けて発表する運用に変わります。線状降水帯に関する情報は、以下の3段階で発表されます。
まず、発生の半日程度前に都道府県単位で「気象解説情報(線状降水帯半日前予測)」が発表されます。続いて、発生の2、3時間前を目標に今回新たに導入される「気象防災速報(線状降水帯直前予測)」が発表されます。この情報は対象地域を都道府県単位よりも絞り込み、「○○県北部」といった一次細分区域ごとに発表されます。災害の危険度が急激に高まる可能性があることを伝える情報です。最後は、実際に線状降水帯が発生しているという情報が、一次細分区域単位で「気象防災速報(線状降水帯発生)」として発表されます。「気象防災速報(線状降水帯発生)」は従来、「顕著な大雨に関する気象情報」として発表していた内容のもので、今回から名称が変更となります。
情報を視覚的に伝えるコンテンツも充実します。気象庁ホームページでは新たに「線状降水帯予測マップ」が提供されます。「気象防災速報(線状降水帯直前予測)」を補足する情報として、降雨や土砂・洪水・浸水の危険度の実況・予測に基づいて、3時間先までの線状降水帯による大雨の恐れがあるエリアを地図上に表示します。
土砂災害や浸水害の危険度分布などを示す「キキクル」でも新しい表示が始まります。降った雨が排水しきれずに低い土地などに溜まる内水氾濫の危険度がわかる「浸水キキクル」と、中小河川に水が集まって増水し、あふれ出す危険度がわかる「洪水キキクル」を合わせて表示する「大雨キキクル」が新設されます。浸水キキクルはメッシュ表示のみですが、洪水キキクルには「流路」表示と「メッシュ」表示の2種類があります。このため大雨キキクルでは、「浸水(メッシュ)+洪水(メッシュ)」に加え、「浸水(メッシュ)+洪水(流路)」の表示も利用できる予定です。