経済産業省はこのほど、企業や自治体などにおける女性の健康課題への対応を支援し、多様な人材の活躍を推進するため、「企業・自治体等向け 女性の健康課題の解決に向けたフェムテック導入ガイダンス」を公表しました。
本ガイダンスでは、人材を資本と捉えて企業価値向上につなげる「人的資本経営」や「ダイバーシティ経営」が注目される中、未だに「女性が十分に活躍できる社会である」とはいえない日本において、女性特有の健康課題へ対応することが女性の活躍を後押しする環境整備の一つであるとしています。その対応策として期待されているのが月経、不妊、妊娠・出産、更年期など、女性特有の健康課題をテクノロジーで解決するフェムテックです。
同省はこれまでフェムテックなどの製品やサービスを活用した実証事業を実施してきました。本ガイダンスは、その実証事業から得られたノウハウや活用ポイント、事例をとりまとめたものです。想定読者は組織の人材戦略や職場環境整備を担う経営者・管理職および人事・総務担当者などで、経営戦略と連動させて取り組むべき人材戦略上の重要な課題として位置づけています。
働く女性は、月経随伴症や更年期障害、不妊治療など、ライフステージに伴う多様な健康課題に直面しています。これらは個人の健康問題にとどまらず、企業にとっても「プレゼンティーイズム」(出勤しているが何らかの健康問題で業務の能率が低下している状態)の悪化や、離職・休職といった深刻なリスクとなり得ます。
ガイダンスでは、フェムテックの導入や検討のプロセスを①課題の認識、②方針・施策検討、③製品・サービス選定、④組織内調整、⑤試験導入・評価という5つのステップに整理しています。さらに、各ステップにおける重要ポイントや目指すゴール、想定される課題の具体例なども掲載されています。
このほか、実証事業で製品やサービスを導入した企業の事例も紹介されています。そのうちの一つ、ディー・エヌ・エーは、導入前の社内アンケートで「女性社員には月経や更年期の悩み、男性社員には女性特有の健康課題を持つパートナーや女性の部下へのサポート方法がわからない」といった悩みを抱える従業員がいることを認識し、性差医療アプリ「WaiSE Work」の実証事業に参加しました。実証には女性社員だけでなく、男性社員の家族の女性(18歳以上)も含めました。
結果としてヘルスリテラシーの向上効果が認められたほか、女性社員から「自分が更年期かと感じていたがどの科に受診すればよいかわからなかったので、まさに求めていた施策・サービスだ」という声や、男性社員から「更年期の悩みを抱える妻に勧めたい」という声も上がり、次年度以降の活用についても検討が進められています。