企業BCPの重要性や防災庁の設置方針に言及、令和8年版「防災白書」を公表 内閣府
内閣府は6月30日、「令和8年版防災白書」を公表しました。
東日本大震災から15年、熊本地震から10年の節目を迎える今年、本白書は「国難級の地震・津波」というテーマでの特集が掲載されています。この特集では、まず地震や噴火のメカニズムを整理した上で、今後想定される大規模自然災害(千島海溝・日本海溝地震、首都直下地震、南海トラフ地震)の想定被害がまとめられています。また、事前防災によって被害を軽減させることができるという試算も記載されています。例えば、津波による死者が多く想定されている千島海溝地震、日本海溝地震においては、津波に対する避難意識を高め、避難路・避難施設などの整備を行うことで、死者数を8割程度減少させることが可能としています。また、首都直下地震においては、住宅や建築物の耐震化率を100%にすることで全壊棟数を約9割減少できるという点、感震ブレーカーなどの設置率を100%にすることで火災による焼失棟数を約7割減少させられるという点も示されています。
さらに、国や地方公共団体、企業、個人に求められる、大規模災害への備えについても解説しています。企業に対しては、BCPを策定し、計画の維持・更新を続けること、事業継続マネジメントを行うことが求められるとしています。また、自治体と災害時の応援協定を締結するなど、企業が地域防災に積極的に参画することの重要性も、事例を交えながら示しています。個人の備えについては、食品のローリングストックなど、日常時と非常時とで対応を分けずに普段から備える「フェーズフリー」の重要性が紹介されています。
このほか特集では、2025年12月に発生した青森県東方沖の地震に伴い、運用開始以来初めて「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表された際の対応などを振り返っています。さらに、2026年度~2030年度の5年間を計画期間とする「第1次国土強靱化実施中期計画」についても触れられています。計画内の全施策は326個で、①防災インフラの整備・管理②ライフラインの強靱化③デジタル等新技術の活用④官民連携強化⑤地域防災力の強化の5つに分類されます。
特集以降のパートでは、防災に関する施策の取り組み状況や、2025年に発生した主な災害の被害状況・政府の対応を整理しています。2026年度の防災計画をまとめた最終章では、2026年中に防災庁設置を目指す方針が明記されました。防災庁は、事前防災から発災時の復旧・復興まで、様々な災害対応の司令塔となる組織で、内閣直下に設置されます。