国連経済社会局(UNDESA)はこのほど、「持続可能な開発目標(SDGs)報告書 2026」(The Sustainable Development Goals Report 2026)を公表しました。
本報告書では、SDGsの達成目標期限である2030年まで残り4年となる中、それぞれの目標達成状況の進捗がまとまっています。
まず、SDGsが採択された2015年以来、多岐にわたる分野で進歩が見られたことが記されています。例えば、電気は世界人口の92%に届くようになり、その3分の1は再生可能エネルギーを源としています。インターネットアクセスは40%から74%へと増加しました。そのほか、災害関連の死亡者数が10年間で65%減少したことなども記されています。
一方、課題についても指摘されています。SDGsは17のゴールと169のターゲットから構成されていますが、今回の報告書で評価可能なターゲットは139です。この中で、順調、またはある程度の前進があるものは36%にとどまりました。さらに、2015年の水準から逆戻りしているものが15%にのぼることが明らかになりました。
また、今回の報告書では、300万のデータポイントを持つグローバルデータベースによって、SDGsで掲げる指標のうちのほぼ全ての進捗状況を明確に把握できるようになったことにも触れています。
報告書の後半では、ゴール項目ごとの状況もまとめられています。例えば「ゴール1:貧困をなくそう」については、極度の貧困状態にある人々が依然として世界人口の10%を占めていることが記載されています。慢性的飢餓に苦しむ人口は世界人口の8.2%に上り、2015年の水準を上回っているとしています。「ゴール13:気候変動に具体的な対策を」では、2024年の世界平均気温が産業革命前より1.55°C高くなり、観測史上最も暑い年となったほか、世界全体の温室効果ガス排出量も過去最高を更新したことが報告されています。
本報告書によると、進捗の停滞や逆戻りが起きているのは、地政学的な緊張による紛争の増加や気候の混乱などの逆風があるためだとしています。また、発展途上国における財政的ショックも関係しているとしています。特に、2025年における政府開発援助(ODA)は前年比で史上最大の23.1%減を記録し、最貧国が依存する財政的基礎を揺るがしていると記されています。
2030年までの残りの期間で軌道を修正するために、本報告書は、発展途上国を適切に支援すること、軍事費の不当な膨張を抑制して平和と開発の手段に投資することなどのアクションを呼びかけています。