「バリューチェーンにおける環境デュー・ディリジェンスの実践」を公表、実務に役立つポイントを解説 環境省
環境省は6月、「バリューチェーンにおける環境デュー・ディリジェンスの実践」を公表しました。本書は、同省が実施した「令和7年度環境デュー・ディリジェンス推進支援事業」を通じて得られた成果・事例などを踏まえ、企業が実際に環境デュー・ディリジェンス(以下、環境DD)の取り組みを進める際の参考となるよう、3つのポイントを解説しています。
1つ目のポイントは、負の影響・リスクの特定・評価です。この作業は実務的にも、バリューチェーンにおける環境DDに取り組むにあたって最初に取り組むと有効だと記されています。
負の影響・リスクの特定・評価をする際には、完璧な把握を最初から目指すのではなく、仮説に基づいて重要性が高いと考えられる部分から段階的に進めることが大切であると解説されています。実務上の工夫として、社内にすでに存在するデータ(部品表や施工体制台帳など)を再解釈して活用することや、原材料の生産など負の影響が集中しやすい工程に着目すること、一部の高リスクな取引先に絞って試行的に情報収集を始めることなどが挙げられています。
2つ目のポイントは、環境マネジメントシステム(EMS)との統合です。既存のEMSを活用しながら、環境DDで求められる対応へと発展させるために、「適用範囲に漏れが生じていないか」「企業が環境に与える影響・リスクもマネジメントの対象としているか」「ビジネス上の関係先における環境への負の影響に対しても、負の影響を防止・軽減するための影響力を行使しているか」といったことを考慮することが重要だとしています。
3つ目のポイントは、苦情処理の仕組みと是正・救済措置です。ここでは、個別案件の処理にとどめずに環境DDを見直すためのインプットに活用すること、担当部門のみで対応を完結させず、案件によっては経営層や取締役に報告することなどが重要であると記されています。
また、本文書では、「令和7年度環境デュー・ディリジェンス推進支援事業」での支援先企業における、3つのポイントに関連した事例も紹介されています。