内閣府はこのほど、持続可能な社会形成に向けた政策動向や課題を整理した「令和8年版男女共同参画白書」を公表しました。
本白書では、2025年度における男女共同参画社会の形成の状況や、政府や関係省庁の取り組みなどがまとめられています。
特集では、「仕事や職業キャリアに関する女性の学び直し・暮らしを充実させる男性の学び直し~学び直しの現状と分析~」をテーマとした調査結果・分析が掲載されています。人生100年時代といわれる昨今、共働きの増加といった社会構造の変化が起きているだけでなく、AIなどのテクノロジーも進展しています。本白書は、このような中で人生を豊かにするために学び直し(仕事や職業キャリアに関するものや、日常生活や個人の趣味・関心に基づくもの)が重要であると示しています。学び直しを行うにあたっての課題や困り事を調査した結果によると、女性は男性に比べて「金銭的余裕がない」「家事・育児・介護が忙しくて時間がない」といった回答が多く、男性は女性に比べて「仕事が忙しくて時間がない」「学んでも会社から評価されない」といった回答が多い傾向にあります。これらの障壁を解消するために、社会や行政には、経済的事情にも配慮した教材やプログラムの提供、就業環境の改善を通じた学び直しに充てられる時間の確保など、環境整備につながる働きかけが求められるとしています。
特集のほかにも、本白書では、2025年度における男女共同参画社会の形成に関する現状がまとめられています。例えば日本の民間企業では、女性就業率が75.3%に達したこと、男性の育児休業取得率が40.5%へ上昇したことなどが記されています。一方で、女性役職者の割合は係長級が25.2%、課長級は16.1%、部長級は9.3%と上位役職ほど低く、全上場企業の役員に占める女性の割合は14.0%にとどまっています。
また、男女間の賃金格差も依然として存在しており、その差は特に20代後半~50代(正社員・正職員以外は60代前半)にかけて大きくなる傾向にあると指摘されています。男性のフルタイム労働者の賃金の中央値を100とした場合の女性のフルタイム労働者の賃金の中央値は、OECD諸国の平均値が89.7となっているところ、日本は79.3にとどまっており、国際的に見ても比較的格差が大きいことが明らかになっています。
男女共同参画社会の形成の促進に関する施策については、各種のハラスメント(カスタマーハラスメントや、就職活動中の学生に対するセクシュアルハラスメント、職場におけるパワーハラスメント・セクシュアルハラスメント、妊娠・出産などに関するハラスメントなど)を防ぐための啓発・取り組みが政府や関係省庁で進められていることなどがまとまっています。
また、防災への男女共同参画の推進についても触れられています。2025年において、地方防災会議の委員に占める女性の割合は、都道府県防災会議で26.1%(前年比2.8%ポイント増)、市区町村で12.0%(前年比0.7%ポイント増)でした。白書によると、政府は能登半島地震の対応状況調査などを踏まえて、避難所運営の女性参画や、男女のニーズの違いに配慮した取り組みなどを働きかけています。避難所での性被害・DVの防止を推進する体制整備も、引き続き働きかけるとしています。