東京都はこのほど、2017年に制定された「東京都無電柱化推進条例」に基づく「東京都無電柱化計画」を改定、公表しました。今回公表された同計画は、都が2026年5月15日から6月14日に実施した意見公募での都民の意見を反映したものとなっています。
東京都はこれまで、2021年に「無電柱化加速化戦略」を策定するなど、都市防災機能の強化や良好な都市景観などを目的として、道路上の電線・電柱を地中化する無電柱化を進めてきました。同戦略では、「電柱を減らす」「これ以上電柱を増やさない」「無電柱化の費用を減らす」という3原則と7つの戦略が掲げられています。
今回の「東京都無電柱化計画」の改定では、防災拠点へのアクセスルート整備や重点整備エリアを環状八号線まで拡大するとともに、DXの活用により効率化・迅速化を図るといった、以下の5つが計画のポイントとして盛り込まれました。
- 重点整備エリアの拡大・防災拠点のアクセス機能を強化
- DX原則適用や同時施工により効率化・スピードアップ
- 島しょ地域の復興・強靭化
- 区市町村との連携・支援強化、電柱の新設禁止を拡大
- 「東京における宅地開発の無電柱化の推進に関する条例」制定
東京都は都市防災機能の強化に向けて、首都直下地震が起きた場合に環状八号線内側の木造住宅密集地域などにおいて甚大な被害が発生するという被害想定を踏まえ、防災対策に取り組んできました。無電柱化の整備対象エリアについては、重点的に整備するエリアを「センター・コア・エリア」(※1)と定め、都道を中心に整備を行ってきました。2025年度末の時点で、「センター・コア・エリア」内は、ほぼ整備が完了しており、現在は環状七号線の内側へと範囲を拡大し、整備を進めています。今回の改定では重点整備エリアをさらに環状八号線まで拡大することを明示しました。
また、今回の改定には条例の制定が明記されています。この「東京における宅地開発の無電柱化の推進に関する条例」は、無電柱化法(※2)を踏まえ、規制区域内で行われる宅地開発について、開発区域内への電柱などの新設を原則禁止とするもので、2026年3月に制定されました。これは、東京都が同計画で掲げる大規模開発から宅地開発などのまちづくりの機会において、無電柱化が標準仕様となることを目指す方針に基づくものです。同条例は2026年10月31日に施行されます。
このほか、首都直下地震の被害想定や能登半島地震を踏まえたコラム「①災害時における無電柱化の効果」では、無電柱化は、電柱損壊に伴う停電リスクを低減し、都民生活や企業活動の継続性を高めるとともに、多額の経済的損失を防ぐ効果が期待されていると記しています。東京都は本計画の推進を通じて、都市防災機能のさらなる向上を目指していく方針です。
※1 おおむね首都高速中央環状線の内側エリア
※2 「無電柱化の推進に関する法律(平成28年法律第112号)」