東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県と5つの政令指定都市(※)の首長で構成する9都県市首脳会議は2026年7月27日、首都圏における「地震防災対策等の充実強化」および「国民保護の推進」を求める提案書を国へ提出しました(同日、郵送にて実施)。「提案書(地震防災対策等の充実強化)」は内閣府、総務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、環境省へ、「提案書(国民保護の推進)」は内閣官房および総務省へそれぞれ提出されます。
本提案書では、首都圏で懸念される大規模災害や安全保障上のリスクなどについて、住民の生命を守るために、国が主導すべき具体的な施策や支援の必要性を訴えています。
首都圏は総人口の約3割が集中する人口密集地帯であり、首都直下地震などの大規模災害や富士山噴火による降灰被害などの発生が危惧されています。災害発生時に被害を抑え、首都機能を維持するためには、国と9都県市がより一層連携し、防災対策の実効性を高めていくことが重要であるとしています。
「地震防災対策等の充実強化」の提案書では、新たに追加された通電火災対策や災害対応車両登録制度の登録促進・運用改善策、エレベーターの安全対策などを含む、計22項目が提示されました。
避難後の二次被害を防ぐ「通電火災対策」については、自治体による器具助成や普及啓発だけでは、感震ブレーカー設置促進の効果的な進展は困難であるとして、住家への設置義務化などの検討を求めています。次いで、災害時に仮設住宅やトイレなどに活用できる災害対応車両を登録・データベース化する「災害対応車両登録制度(D-TRACE)」に関しては、積極的な周知と登録台数増加への取り組みを要請しました。また、発災時に被災自治体自らが車両所有者との応援調整を行うことは困難であると想定されるため、国による応援調整の仕組みの構築と実施を提言しています。
加えて、エレベーターの閉じ込め被害防止策も提案しました。更新時などにおける、リスタート運転機能と自動診断・仮復旧運転機能の設置促進や技術開発支援、ならびに財源措置の拡充が重要であると指摘しています。また、これら閉じ込め防止機能を有するエレベーターをステッカーで可視化するなど安全性の表示を義務付ける制度の導入を要望しました。閉じ込め事故発生時に迅速な救助活動が実施できるよう、保守事業者団体からの情報提供を義務化するといった情報集約の仕組みの構築も併せて要請しています。
一方、「国民保護の推進」の提案書では、避難施設の指定に関する要望が新たに1点盛り込まれました。都道府県および指定都市が指定している民間事業者所有の堅ろうな施設や地下施設の一覧について、各都道府県および指定都市に共有することを要望しました。
※横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市