「サステナブルファイナンス有識者会議(第30回)意見要旨」を公表、人材育成やレジリエンスの浸透が課題に 金融庁
金融庁は8月5日、「サステナブルファイナンス有識者会議(第30回)意見要旨」を公表しました。
サステナブルファイナンス有識者会議とは、金融機関によるサステナブルファイナンスの推進や、金融資本市場を通じた投資家への投資機会の提供、企業による気候関連開示の充実などについて話し合う会議です。産業界や金融界、学識経験者などをメンバー、関係省庁をオブザーバーとして構成しています。
このたび公表された意見要旨は、6月23日に実施された第30回会議での議論結果をまとめたものです。
まず、現状を踏まえたサステナブルファイナンスの意義がまとめられています。例えば不確定要因(地政学的リスク、サプライチェーンの途絶、AI導入による社会構造の変化など)を多数抱える中で、短期的な収益志向ではない官民共同でのサステナブルファイナンスの拡充が一層求められていると指摘されています。また、気候変動ファイナンスは投資家の投資意欲も相当程度あるとの感触が示されているほか、サステナブルファイナンスのテーマ自体が多様化しており、格差縮小、防衛・安全保障といった分野へも関心が広がっていると記されています。さらに、地政学リスクやAIの電力需要増などで温室効果ガス排出量の削減施策を進めることが難しい状況であり、適応施策に資するサステナブルファイナンスの重要性が一層高まっていると記されています。
要旨の後半は今後の課題が整理されています。例えば、急速に形成されたサステナブルファイナンスの枠組みを定着させるために、人材の育成が一層重要となっているとしています。コーポレート・ガバナンスの観点では、サステナビリティを全社に浸透させるためにレジリエンスの概念を取り込むことなどが必要であると言及しています。AI導入に伴う大量の電力消費などをサステナビリティの文脈の中でどう位置づけるかは、今後の課題だと記されています。