厚生労働省は8月7日、「令和7年労働安全衛生調査(実態調査)」の結果を公表しました。この調査は、事業所の安全衛生管理や労働災害防止活動、労働者の仕事や職業生活における不安やストレスの実態を把握することを目的としています。事業所調査では14,050事業所を対象に8,054事業所(有効回答率57.3%)、個人調査では18,553人を対象に8,393人(有効回答率45.2%)から有効回答を得ました。
調査結果によると、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は63.0%で、前年の63.2%を下回る結果となりました。事業所規模別にみると、労働者数50人以上の事業所では93.7%に達する一方で、30~49人の事業所では72.0%、10~29人の事業所では54.6%となり、企業規模によって取り組みの進行度に差が見られます。また、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所のうち、ストレスチェックを実施している割合は64.0%でした(前年は65.3%)。
高年齢労働者の労働災害防止対策については、60歳以上の労働者が従事している事業所の中で、「エイジフレンドリーガイドライン」(高年齢労働者が安心して安全に働ける職場環境づくりや、健康づくりを推進するために、厚生労働省が2020年に作成したガイドライン)を認知している割合は24.8%でした(前年は21.6%)。また、同事業所のうち実際に防止対策に取り組んでいる割合は20.4%となっています。具体的な取り組み内容としては、持久性や筋力の低下を考慮した作業内容の見直しといった「高年齢労働者の特性を考慮した作業管理」が61.0%と最も多くの割合を占めました。
また、在留資格を有する外国人労働者が業務に従事している事業所のうち、外国人労働者に対する労働災害防止対策に取り組んでいる事業所の割合は84.8%となりました。その主な取り組み内容としては、「外国人労働者にわかる言語(母国語や「やさしい日本語」など)により災害防止の教育を行っている」が46.3%と最も多くなっています。
化学物質を取り扱う際のリスクアセスメントの実施状況もまとめられています。労働安全衛生法第57条の2に該当する化学物質(譲渡・提供者に安全データシートの交付が義務付けられている化学物質)を使用している事業所のうち、リスクアセスメントを全て実施している事業所の割合は67.7%(前年は66.1%)です。同条には該当しないものの、危険有害性がある化学物質を使用している事業所のうち、リスクアセスメントを全て実施している事業所の割合は55.5%でした(前年は52.2%)。
個人調査からは、現在の仕事や職業生活に関することで、強い不安、悩み、ストレスと感じる事柄がある労働者の割合が67.5%(前年は68.3%)でした。その内訳では、「仕事の量」および「仕事の失敗、責任の発生等」がともに39.5%で最も多く、次いで「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」が32.9%となっています。現在の自分の仕事や職業生活でのストレスについて相談できる人がいる労働者の割合は94.8%で、そのうち実際に相談したことがある労働者の割合は71.2%となっています。
長時間労働に関する状況については、過去1年間に1カ月間の時間外・休日労働が80時間を超えた月があった労働者の割合は1.4%でした。このうち、1カ月間の時間外・休日労働が80時間を超えた全ての月で医師による面接指導を受けた労働者の割合は16.2%にとどまっています。