政府は2026年8月24日、首相官邸で「第3回CBRNEテロ対策会議」を開催し、化学や生物兵器、爆発物などを用いたテロから国民を守るための具体的施策「CBRNEテロから国民を守り抜くためのアクションプラン(中間取りまとめ)」を決定しました。生成AIやドローンといった先端科学技術の悪用リスクや不透明な国際情勢に対応するため、機動的にアクションプランを見直せるように「中間取りまとめ」として位置づけられました。
CBRNE(シーバーン)テロとは、化学(Chemical)・生物(Biological)・放射性物質(Radiological)・核(Nuclear)・爆発物(Explosive)を用いたテロ行為を指します。1995年の地下鉄サリン事件から30年以上が経過するなか、CBRNEテロ対策の継続的な見直しが求められています。
テロ発生時の意思決定スピードを高めるため、内閣総理大臣が主宰する「CBRNEテロ対策本部会議」を支援し、科学的・専門的見地から迅速に提言を行う「専門家会議」を新設することが盛り込まれました。さらに、内閣危機管理監が主宰する局長級の「CBRNEテロ対策会議」には、「CBRNE専門家ネットワーク」(2026年6月に「NBC専門家ネットワーク」から改称)の専門家を招聘し意見交換を行います。あわせて、テーマごとに設置する「CBRNEテロ対策会議分科会」にも専門家を招聘します。
先端技術への対策として、悪意ある主体が大規模言語モデル(LLM)や生物設計ツール(BDT※)を悪用し、毒物・兵器の製造方法を取得する事態を防ぐ方策を検討します。あわせて、違法飛行するドローンの検知および対処に有効な装備資機材の配備などを進め、対処能力を強化します。
現場の初動対応では、制度上の壁を解消する横断連携が示されました。初動段階において救命救助の的確な実施に向け、警察機関から消防や医療従事者に対し、被疑者の逃走方向や身柄確保の有無などのほか、治療に有用な原因物質に関する情報を、適時適切に共有する枠組みを構築します。
加えて、原子力災害用に国が備蓄する「安定ヨウ素剤」を放射性テロ時に流用できる枠組みや、都道府県が保有する災害用備蓄医薬品を緊急時に相互融通するネットワークの構築も盛り込まれました。
2027年3月に横浜市で開幕する「2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)」などを見据え、政府はテロ防止と救命体制の確立を急ぐ方針です。
※Biological Design Toolsのこと。