10月は台風の発生数や日本への上陸数そのものは夏に比べて減少するものの、秋雨前線を刺激することにより深刻な大雨災害が発生しやすい時期です。甚大な被害を出した「令和元年東日本台風」(2019年10月12日上陸)をはじめ、過去にも秋口に大規模な豪雨や浸水被害が起きています。
国土交通省、内閣府、警察庁、消防庁、気象庁の5省庁は、「令和8年8月千葉豪雨」での教訓を踏まえ、「レベル5大雨特別警報が発表されたときにとるべき行動」および「レベル5大雨特別警報が発表されたときの車運転の注意点」をまとめた啓発チラシを共同で作成・公表し、注意を呼びかけています。
気象庁が発表する防災気象情報は2026年5月29日から、危険度をわかりやすく直感的に伝えるため、レベル2大雨注意報、レベル3大雨警報、レベル4大雨危険警報、レベル5大雨特別警報といったレベル表記が用いられるようになりました。自治体が発令する警戒レベル(1~5)に対応しており、レベル4相当として「危険警報」が位置づけられるなど、体系の整合性が図られています。
レベル5では「命を守る最優先の行動」をとる必要があります。「レベル5大雨特別警報」が発表された段階では、すでに道路の冠水などが生じて安全な屋外避難ができず、すでに命が危険な状況に直面していると考えられます。そのため、発表後はむやみに外へ移動せず、今いる場所や建物内でより安全な場所へと身の安全を確保することが求められます。避難行動は、市町村から「警戒レベル4避難指示」が出される段階までに完了させておくことが原則です。
車運転の注意点を周知する啓発チラシでは、アンダーパスや冠水道路における車移動の危険性が強調されています。地下施設やアンダーパス、低地は短時間で水が溜まる危険があり、車はわずか30センチメートル程度の浸水でも吸気口やマフラーから浸水してエンジンが停止し、走行不能になります。
さらに、水深が床面を超えると電気装置が故障してパワーウィンドウなどが作動しなくなります。水深がドアの下端にかかると外からの水圧で内側からドアを開けることが困難になり、ドアの高さの半分を超えるとほぼ開けられなくなります。走り始めた時点では雨がそれほど激しくなくても、急激に豪雨へ変化するリスクや、排水機能が追い付かず内水氾濫が発生するリスクを認識しなければなりません。万が一の立ち往生に備え、車内にはすぐに使える位置に脱出用ハンマーを常備し、水没や冠水の恐れがある場所への進入は絶対に避けましょう。