-事業内容を教えてください。
プロポーションメイキングの総合コンサルティング企業として、全国約800のサロン店舗を起点として、ボディメイク機能をもつ補整下着を中心に理想のプロポーションに近付くためのコンサルティングを行っております。1986年の創業以来、約87万人以上の女性をコンサルティングし、独自のノウハウと豊富なデータ・経験に基づき外見と内面両方の美しさを兼ね備えた、しとやかで品格ある女性(=淑女)を多数輩出してまいりました。
-今回BCP策定に取り組まれた理由を教えてください。
従前より「自衛消防隊」を組織し、社員の生命の安全を最優先とした防災訓練や防災教育を定期的に実施していました。また、昨年の東日本大震災を受け、具体的な行動指針を織り込んだ震災対応指針(「東日本大震災に伴い今後想定される災害の対応及び社員の行動について」)を作成し社員に配布しました。
当社は、自社の防災対策に留まらず、社会貢献型企業として志を共にする様々なステークホルダーの期待に応えるため「危機に屈しない志と組織づくり」を日頃から意識し社内に経営トップをいただ点とする「危機管理委員会」を設置し、有事を想定して実際に「使えて」「動ける」仕組みづくりや体制の構築・整備に注力しております。
-策定されたBCPの内容を教えてください。
今回当社は、首都圏直下型大地震を想定しBCPの策定を開始しました。本社社員の初動対応に関しては前述の震災対応指針を活かすこととし、不足していた事業継続策を新たに追加する方針で作業を進めてまいりました。
本社が災害等で被災しても、全国にフランチャイズ展開している約800サロンの事業基盤を守るために支援を絶やさないこと、そして各サロンに通っていただいているお客様に理想のゴールデン・プロポーションを目指していただくためにサービスを継続することが最も重要だと考えております。
当社のフランチャイズ事業にとって最も重要なリソースは、①人(社員、サロン店舗経営者、会員など)と② ITシステム(受発注や納品、報酬計算などの業務はすべて東京地区のITシステムに依存している)であることが確認できましたので、それぞれ対策を検討しました。(※なお商品も、重要なリソースではありますが、主要な生産、物流拠点は西日本にあり、今回想定している首都直下型地震においては直接的な被害はわずかと考え、前記①②を重視しました)
対象事業 | フランチャイズ事業 |
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対象リスク | 東京湾北部地震 |
被災シナリオ | ・外部勤務者(約10人)とは連絡不能 ・本社一部損傷も立ち入りは可 ・本社サーバ10台中2台ダウン ・IT 7 システム中1システムダウン |
対策 | ・IT 固有技術の研修、OJT の実施、マニュアル整備 ・外部データセンターの脆弱性対策(二重化等) ・非常用電源の確保 ・IT 関連業務の代替要員による継続 ・時間外コールセンター対応 |
備考 | ・情報システムに対する通常想定される障害対策は確立済み ・外部データセンターに依存している業務の脆弱性の見直しが必要 |
-何か新たな気付きはありましたか?
緊急対応や危機対応の検討・文書化もある程度は完備していましたが、今回のBCP策定によって、実際に有事に「使えて」「動ける」かという観点から、詰めが甘い部分や見直しが必要な部分を発見することができ、見直しの契機として有益でした。具体的には、被災シナリオを想定することで脆弱性の具体的な予防・低減策や事業継続策を再検討し、書面やフローに落とし込むことができました。
なお、社員全員に配布した携帯用BCPは、A4用紙1枚に有事で使用できる連絡先や初期対応などの重要事項がコンパクトに網羅されており、実用的でかつ社員の防災意識の向上に有益でした。
-BCPを策定した感想をお願いします。
発災時の緊急対応、危機対応から事業継続策まで策定することができ、また一つ一つの経営資源に脆弱性やその予防・低減策、事業継続策を検討する過程でこれまで気が付かなかったことも多くありました。
集合研修での説明や最終日に実施した演習を通してPDCAの重要性を理解することができました。今回は社員の一部のメンバーで策定しましたが、策定したBCPを社員全員に周知徹底すること、演習を行うことで見直し改善を図っていきたいと思います。