事例紹介: 株式会社イースティル(現:株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス)

株式会社イースティル 代表取締役社長 源口 宏氏

医療機器の供給責任を果たす
要は仕入先との連携

株式会社ユニフローズ ロゴ

代表取締役社長 源口 宏氏

想定リスク: 東京湾北部地震
業種: 情報通信業

-事業内容を教えてください。

株式・為替・金利や市況ニュースなどの、主に金融機関のプロフェッショナルが利用する金融市場に関する多様な情報提供業務をアウトソーシングしていただく事業を行っています。オンライン証券向けでは万単位の個人投資家向けの情報サービスや、ディーリングルームでも利用されている高度な分析機能を備えたサービス、あるいは格付機関でご利用いただくデータベースの提供などが主なサービスの種類となります。

-今回BCP策定に取り組まれた理由を教えてください。

金融市場にとって情報は血液のようなものですので、アウトソーシングを受けている情報サービスの可用性や信頼性については厳しく取り組んでいます。これまでも地震や感染症へのBCP対策を講じてきており、先の震災でも問題はありませんでした。

ちょうど一昨年より実施してきたBCPの改善プロジェクトに従った一連の設備・機器や業務アプリなどのハード面の改善にめどがたったことから、体制やドキュメントなどのソフト面を効果的で漏れのないBCP対策へ改善すべき時期にありました。そこで、外部のコンサルタントのご指導をいただき、独りよがりの解釈や判断を排除してソフト面を中心とした見直しに着手した次第です。

-策定されたBCPの内容を教えてください。

今回は地震の発生をあえて営業時間外と想定し、社員の半数以上が出社不可という状況で、データセンターに設置してあるASPサーバの半数がディスクの破損により使用不可、さらには社内サーバも全損したという設定でBCP の改善を行いました。対象は弊社の中核事業であるASP事業とし、翌営業日の朝8時までにフロント部分において100%レベルに復旧することを目指し、既存の対策の確認と、人員について、居住地別の役割や担当の割り振り、必要な人員の数など、具体的な対策を考えていきました。

当社のシステムはすべてバックアップシステムが整備されているため、事業継続策としては、バックアップシステムへの切り替えが中心になります。具体的には、その日のうちに、郊外に居住していて被害を免れた社員がおのおの自宅からリモートで各システムの被害状況を調査し、その結果をそれぞれが全社員にメールで通知します。そして翌日には、データセンターに徒歩で出向けるものはデータセンターで、自宅からリモートで作業できるものは自宅で、バックアップシステムへの切り替えと、その後の対応業務を実施することで、目標の復旧指標を達成するようにしています。またこれと並行して、お客様、ステークホルダーへの情報発信を実施し、破損したリソースの復旧を実施していきます。

対象事業 ASP事業
対象リスク 東京湾北部地震
被災シナリオ ・社員の半数以上が出社不可
・ASPサーバの半数が使用不可
・社内サーバが全損
対策 ・キャビネットの固定、オフィス内の避難通路の確保
・サーバルームのレイアウトの見直し
・社内サーバのデータセンターへの移設
・電気と通信手段が確保できる場所での作業
・各データセンターでの作業
・社内インフラのバックアップデータセンターへの切り替え

-何か新たな気付きはありましたか?

ハード面では若干の改良を除いて必要な対策がなされていることを再確認できましたが、被災シナリオを設定することで追加投資するとしたら、どのような経営資源の拡充が費用対効果から有効なのかを具体的に意識できました。こういった指針や評価軸が、被災シナリオを作ることで作成できることがわかったのは重要な気付きでした。

ソフト面でも、被災シナリオをトラッキングして、時系列で誰が何をどういう手順で実施するのかを机上訓練で逐次確認することができたため、不足しているチェックリストやマニュアルを洗い出せました。手順書などの資料に接する人の理解力や解釈能力、あるいはその時に使える作業環境を含めたプロファイリングから、記載方法や指示すべき情報の粒度まで再考することができ、本当に使える資料の作成方法を意識できたのは大きな改善となりました。

-BCPを策定した感想をお願いします。

近々ISO化されるBCPの内容を正しく理解し、より品質の高い実効性のあるBCPを策定できました。これによって、お客様である金融情報ベンダーや金融機関のプロフェッショナルであるご利用者が、より一層安心して当社サービスをご利用いただけるようになりました。今後も金融市場が求める高いBCPの要求基準を超えるアウトソーシーとして社会インフラの運用管理業務を担ってまいります。

関連サービス詳細

プロジェクトメンバー

代表取締役社長 源口 宏 氏
総務部部長 源口 泰子 氏
システム運用部部長 小島 毅士 氏
営業部 荒川 泰範 氏
会社情報
称号: 株式会社イースティル
本社所在地: 東京都中央区日本橋3-3-11 第一中央ビル3F
設立: 2000年4月
資本金: 2,000万円
従業員数: 23人
代表者: 代表取締役社長 源口宏
印刷業: 金融ITのアウトソーシング
URL: http://www.estijl.com

(2012年3月末日現在)

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