－事業内容を教えてください。

当社は主に測量事業を行っており、そのうちの調査業務では土地建物の登記簿などの調査・埋設物インフラ調査・土地履歴など、様々な測量・開発計画等の基礎資料を提供しています。また申請手続き業務では農地転用・国有地売払い・道水路用途廃止・公共用地寄付・道路位置指定（廃止）・開発行為許可等の申請手続きを知識・経験を積んだ技術者（測量士）が迅速かつ正確に行っています。

－今回BCP策定に取り組まれた理由を教えてください。

これまでは特別な防災対策は行っていませんでしたが、東日本大震災と福島第一原発の事故という未曾有の大災害を目の当たりにして事業の継続、ひいては会社の存続ということに非常に大きな危機感を覚えていました。このような状況の中、普段から漠然と考えていた防災設備などを積極的に見直し始めた矢先に、今回東京都が支援して下さるBCP策定の取組があることを知り、また当社が組合員となっている練馬測量業協同組合も参加することになり、組合とあわせて取り組むことにしました。

－策定されたBCPの内容を教えてください。

主に練馬区内で測量事業を行っていますが、東日本大震災ではオフィス内で軽微ですが被害が出たこともあり、今回想定した地震ではまず人命を第一に、すべての経営資源に対して被害を事前に防ぐための対策について考えました。その上で被害が発生した場合、また社会インフラの停止、特に電力・交通機関の停止、道路の交通規制に対していかに事業を継続するか、人の面では平時にも協力をいただいている協力会社社員の応援を第一に考えました。

また、今回のBCP策定は組合と合同で行ったことで、組合との連携を今まで以上に密にすること、すなわち他の組合員の協力も含めた対策を講ずることによって、1社単独でのBCP策定よりも、より確実に社員、事業、会社を守ることができるBCPになったと思います。

－何か新たな気付きはありましたか？

コンサルタントに現場点検をしていただいた際のコメントや予防・低減策の検討から、安全性の確保・向上には労力と費用が掛かることが良くわかりました。その後、実際に防災用品などを見にいったり調べたりしましたが、その種類の多さに驚くとともに、非常に高価であることも知りました。けれども代用品や既存のものの利用方法を少し工夫することなどによって、十分効果があるということもわかりましたし、また、材料の購入先の複数化や代替品の利用なども有効だと気付きました。

今回のBCP策定を通して、人的被害が最大の問題点であり、常日頃より防災に備える意識と心構えが大切であること、それには防災教育が重要であるということを改めて実感しました。今後は社内でのさらなる意識向上を目指していきたいと思います。

－BCPを策定した感想をお願いします。

いざという時にすべきことが事前にわかっていることで精神的に安定し、落ちついて行動できる自信につながりました。社員に避難場所・現場での安全確保や安否の連絡方法、食料などの備蓄の確保などを知らせることによって、災害時における大きな安心感を与えられたように感じます。これらを通して社内の結束が強化されると思います。