WOWOW 様
| お客様 |
デジタル戦略局 データマネジメント・ユニットの方々 2名 |
|---|---|
| ニュートン・コンサルティング |
アソシエイトシニアコンサルタント 井本 龍彦 コンサルタント 今井 祥人 |
WOWOW様は、1991年に日本初の民間衛星放送局として開局。現在は「人生をWOWで満たし、夢中で生きる大人を増やす」をパーパスに掲げ、放送・配信事業に加え、ECやイベントなど多層的な取り組みを通じて、お客様に「夢中」をお届けする企業を目指していらっしゃいます。このたび、ニュートン・コンサルティングの「サイバー演習・訓練コンサルティングサービス」をご利用いただいた経緯や成果についてお話をうかがいました。
WOWOW:当社は、スポーツや映画、音楽ライブなど国内外の多彩なエンターテインメントを提供する衛星放送局です。近年はオリジナルコンテンツ制作に加え、「WOWOWオンデマンド」に代表される配信サービスにも注力しています。さらに現在は、「夢中で生きる大人」をキーワードに、映像視聴にとどまらない体験価値の提供を目指し、EC事業「WOWOW百貨店」やイベントを実施しております。
WOWOW:2021年度、当社はニュートン・コンサルティングのご支援のもと、ERMの改善に取り組みました。具体的には、社内のリスクをあらためて洗い出し、個人情報保護や災害、感染症などあらゆるリスクに対応できるオールハザード型のリスクマネジメント体制へと刷新しました。このプロジェクトを通して、有事のエスカレーションが明確になったほか、「平時からリスク意識を高めることが、有事の事業継続につながるのだ」というカルチャーも醸成されたと実感しています。
当社は放送業に限らず、イベントやECサイトなど、デジタルプラットフォームを活用した事業を拡大しているため、ランサムウェア攻撃などを受けると影響が広範囲に及ぶことが予想されます。大企業を狙うサイバー攻撃が増加していることも踏まえ、対策をより強化することとしました。
具体的には、実効性のあるサイバーセキュリティ体制を築くべく、各システムのセキュリティチェックを進めてきました。また、最新の事業継続計画書の内容との整合性を取りながら、サイバーインシデントマニュアルも新たに策定しました。そしてこのたび、さらなるサイバーセキュリティ強化に向けて、対策本部を対象としたサイバー訓練を実施することにしました。
WOWOW:2021年度にERM改善をサポートいただき、コンサルティングの品質に大変満足していました。その後はERMを自走化していましたが、勝俣副社長をはじめとしたコンサルタントの方々とは折に触れて連絡を取り合っていました。また、日ごろからリスクマネジメント業界の最新情報をキャッチアップする中で、ニュートンさんはERMやBCPに限らず、IT・サイバーの領域にも強みがあるということも把握していました。
当社のサイバーセキュリティの強化を進める上で、まずは基礎知識を身に付けようと、ニュートン・コンサルティング主催のIT-BCPセミナーに参加してみました。サイバー対応BCPの最新事例や、セキュリティインシデントが発生した際に迅速に事業を復旧させる方法…。まさに当時、知りたかったことを詳しく学ぶことができました。
これらの理由から、「今回のサイバー訓練はぜひニュートンさんにサポートいただこう」という話になりました。
WOWOW:今回の対策本部向けのサイバー訓練は、「自然災害対応とは異なる、サイバー攻撃特有の特徴を知ること」「サイバー攻撃発生時に、対策本部が迅速に意思決定を下せるようになること」を目的に実施しました。
まずはサイバーインシデント時に会社として最も避けたい事態を整理しました。その結果を踏まえて訓練シナリオの設計を進めました。
訓練当日は対策本部メンバーが会議室に集合し、刻一刻と変わる状況が付与され、話し合いを行いながら意思決定を進めました。議論にあたっては、当社の対策本部事務局が被害状況、対応の選択肢、および各案のメリット・デメリットを報告してから検討を開始する「実戦形式」を採用しています。対策本部メンバーは、災害対応とは異なる、サイバーインシデント特有の臨場感を疑似体験することができました。
最終的に、参加者は「さまざまな判断をするにあたっては、ビジネス影響や業務継続の可否・範囲に関する情報の粒度や具体が必要である」といった気付きを得ました。その上で、各フェーズで意思決定に必要となる情報を整理し、現行のサイバーインシデントマニュアルの改善点も特定しました。
WOWOW:過去には外部の講師を招いてサイバーセキュリティ講座を実施したこともありましたが、今回のような、より実践的な訓練を実施したことで、サイバーインシデント時のエスカレーションプロセスを理解するだけでなく、現状の課題も洗い出すことができました。セキュリティ体制のさらなる強化に向けて、具体的な改善の方向を見出すことができたと感じています。
特に印象的だったのは、訓練中に参加者間で議論が活発に行われていたことです。終了後も、参加者から「サイバーインシデントマニュアルのこの部分をアップデートしたい」「今後も定期的に、サイバー訓練を実施したい」といった声が寄せられました。2021年度にERMを再構築して以降、リスクカルチャーを育んだ上で今回の訓練を実施したこともあり、社内の担当者がサイバーセキュリティに対して積極的な姿勢を持っていることを再確認できました。
WOWOW:シナリオ設計には想定以上に時間を要しました。関係者ごとに期待や認識が異なり、内容や範囲の方向性を定めるのに苦労しました。特に、被害が限定的な想定では訓練としての実効性が担保できないので、かなり踏み込んだシナリオを作成して訓練を実施しました。
WOWOW:サイバー訓練の設計には専門知識を要するため、自社だけでは遂行できなかったと思います。シナリオの設計にあたっては、コンサルタントの井本さんが当社システムの構造・特徴についてスピーディかつ詳細に理解してくださいました。当社メンバーよりも詳しいのではないかと思えるほどの深い理解レベルで、驚愕しました。そのおかげもあり、当社の状況に即したリアルな訓練内容になったと思います。日頃からレスポンスが速く、シナリオのブラッシュアップもどんどん進めることができたので助かりました。
ニュートンさんは高い専門性とスキルを持ち、型にはまらず顧客の状況に寄り添った提案をしてくれます。一人ひとりが「ニュートンイズム」を大切にしながら働いていらっしゃる印象です。
WOWOW:今回のプロジェクトで、対策本部のメンバーはサイバーインシデント時のフローを体験し、意思決定に必要な情報を整理することができました。今後もサイバー訓練は繰り返し行う必要があると思っています。今回設計したシナリオをベースに有事に備え、定期的にフローを見直し、改善を図ってまいります。
※取材は2026年4月に実施。記事内の所属先および役職名は、プロジェクト当時のものです。
| 名称 | 株式会社WOWOW |
|---|---|
| 所在地 | 東京都港区赤坂5-2-20 赤坂パークビル21F |
| 設立 | 1984年12月25日 |
| 事業内容 | 放送衛星による一般放送事業(有料放送を含む) |
| 利用サービス | サイバー攻撃対応演習・訓練コンサルティングサービス |
アソシエイトシニアコンサルタント
井本 龍彦
サイバー攻撃発生時の判断の質を高める「情報の要件」を明確にした第一歩
サイバー攻撃は自然災害と異なり、影響範囲の特定や被害の認知が難しく、判断が極めて困難です。だからこそ「いざという時に適切な判断をするために何が必要か」を事前に突き詰めておくことが不可欠です。
本プロジェクトでは、参加者の皆様に「自らが下すべき決断」を再認識いただいた上で、その判断に不可欠な情報は何かを演習を通じて検討いただきました。これを受け、迅速に意思決定できるよう情報をどう収集し、整理すべきかという「次なるステップ」への要件を明確化することができました。
今回の演習は、真に欲する情報は何かを組織全体で考える「第一歩」になったと確信しています。現場の情報を具体的な判断へと昇華させるための橋渡しができる状態を整えられたことは、今後の対応力を左右する大きな成果です。
サイバーセキュリティという正解のない課題に対し、WOWOW様が組織一丸となって立ち向かうための基盤づくりを伴走できたことに、大きな手応えを感じています。回を重ねるごとに、皆様の対応練度はさらなる高みへと到達していくはずです。
このような本質的な課題に共に取り組む機会をいただけたこと、そして何より、多忙な中で熱意を持って演習に臨んでくださった皆様に、心より感謝申し上げます。