コンサルタントコラム

企業とハチの意外な共通点

2018年04月18日

コンサルタント

久留島 宏明

コンサルタント 久留島 宏明

記事をお読みいただいている皆様こんにちは。
初めてコラムを書かせていただきます、コンサルタントの久留島です。

今回のコラムでは、私がこれまで青春を捧げて来た
昆虫「ハチ」についてお話しします。

私は小さいころから生物、特に昆虫が大好きで、夢は「むしむし博士」、
心の師匠はファーブルという少年時代を過ごしました。

大学に入ってからもその熱は冷めず、研究室配属の際には迷うことなく
昆虫の分類を専門とする研究室を志望しました。そこで研究対象として
出会ったのが、多種多様なハチ達です。

皆さんはハチと聞くと何を思い浮かべますでしょうか?

蜂蜜を集めてくれるミツバチや刺されると危険なスズメバチのことは
皆さんもよくご存じだと思います。しかし、例えばアリがハチの仲間
であることや、オスのハチには針がないこと、ほとんどの種類のハチが
集団でなく一匹だけで生活していること、ハチに2回刺されても死ぬ
ことはほとんどないことなどは、もしかしたら知らない方も多いのでは
ないでしょうか。

そんなハチについての裏話の1つとして今回私がご紹介したいのは、
企業とハチとの共通点、経営戦略です。

ハチを含む全ての生物は、子孫の数という利益を最大化するために
様々な戦略を進化させてきました。これは企業がどのように利益の
最大化を目指すのかという経営戦略にも通じる考え方なので、
どちらの世界にも似たような戦略が出てきます。

ハチの場合、この戦略は特に子供をどう育てるのかという面に
強く表れます。

例えば、ハバチというハチの仲間は放任主義の典型で、卵を
葉っぱに産み付けるだけで子供の世話を全くしません。

そのため多くの子供たちは成長の途中で天敵に襲われたり餌が
なくなったりして命を落とします。

一方母親は子供の世話に労力を割く必要がないため、その分多く
の卵を産むことができます。子供がたくさんいるため、その中の
一部だけでも生き残れれば十分利益=子供の数を確保することが
できるのです。

企業の経営戦略としてはさながら、低コストな新規事業をたくさん
打ち出し、生き残った一部で収益を確保していくタイプと言える
でしょうか。

これに対して、子供にたっぷりと愛情をかけて世話をするのは
カリバチやハナバチの仲間です。

この仲間の母バチは、子供を守るためのシェルターとして穴を
掘ったり泥の巣を造ったりします。そして子供のご飯として
カリバチは毒針で麻痺させた昆虫やクモを、ハナバチは花粉や
花の蜜を集めてきます。

これらの世話のおかげで子供の死亡率はぐっと低くなりますが、
母バチが一匹一匹の子供にかけるコストが大きいために、ハバチの
ように多くの子供を産むことはできません。これは経営戦略で言うと
確実に勝てるメインの事業に大きくリソースを配分し、確実に収益を
回収していくという安定タイプと言えます。

さて、このような育児戦略をさらに推し進めたのが、ミツバチや
スズメバチ、アリといった集団で巣造りや子育てを行うハチの仲間です。

彼らは卵を産む女王バチと、餌集めや巣造りなどの仕事を行う
働きバチを完全分業化した体制を構築し、非常に効率良く子供を
育てています。

企業で言えば多くのリソースを持ち、大規模に事業を進める大企業と
いったところです。どちらの場合にもトップの女王バチや社長が
いなくなることが大きなリスクである点も共通しているかと思います。


最後に紹介する裏技的な戦略は、他のハチへの寄生です。

セイボウ(宝石蜂とも呼ばれる綺麗なハチです)などの一部の
寄生バチは、子供の世話をするタイプのハチの巣の中に自分の子供を
進入させ、巣や餌などのリソースを持ち主に代わって使ってしまいます。

経営戦略としてはM&Aにより他社の事業をそのまま取り込む戦略が
これにあたるでしょうか。

既に準備されている経営資源を労力や時間をかけずに利用できることが
この戦略のメリットですが、コストとして買収費用が掛かります。

ハチの場合はお金を払う必要はありませんが、寄生先の巣を発見し、
巣を守る母バチの監視を掻い潜り、巣の内部に侵入するという、
まるで怪盗のようなアクションを成功させる必要があります。

学生時代に夢中で調べ、追いかけたハチの生活スタイルが、企業の
経営戦略など様々な物事につながっていることに科学の面白さを感じます。

野山のハチ達が実は様々な駆け引きをしながら頑張っていることを、
たまにでも思い出していただけたらとても嬉しいです。

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