コンサルタントコラム

小惑星探査機『はやぶさ2』 往路完遂

2018年07月04日

コンサルタント

小林 利彦

コンサルタント 小林 利彦

みなさん、こんにちは。コンサルタントの小林です。

なんということでしょう!!

打ち上げから1302日。
2018年6月27日午前9時35分(日本時間)、小惑星探査機「はやぶさ2」は
小惑星「Ryugu(リュウグウ)」に到着しました。
約20キロの距離から撮影した詳細写真によれば、
リュウグウは赤道付近が膨らんだそろばんの珠のような形状であり、
表面には大小のクレーターやたくさんの岩塊が存在していることが分かりました。

2017年3月に「はやぶさ2」への応援の意味を込めたコラムを掲載して早1年以上が経過し、
今回のコラム執筆時期に合わせたかのような出来事には運命的なものを感じます。
初号機「はやぶさ」からの熱烈なファンの私としては、
コラムに取り上げない訳にはいきません。

「はやぶさ2」は2014年12月3日に打ち上げられました。目的は、到達目標である
小惑星リュウグウから、水や有機物を含む可能性があるサンプルを持ち帰ることです。
リュウグウ到着後、約1年半の観測・サンプル採取を行った後、2019年にリュウグウを
出発し、東京オリンピック開催年の2020年末に帰還カプセルを地球に送り届ける計画です。

皆さん、宇宙がどのように生まれ、形成されたかご存知ですか。
現在、もっとも支持されている理論によれば、約137億年前、何もない無の状態から
小さな宇宙のタネが生まれ、生まれると同時に急激に膨張(インフレーション)し、
引き続いて大爆発(ビッグバン)したと推定されています。この後も宇宙は凄まじい速度で
拡張を続け、その速度と熱エネルギーを次第に下げていく途中で、元素が生まれ、
恒星が生まれ、銀河が生まれたとされています。
更に、私たち人類が生存している太陽系は約46憶年前に誕生したと考えられています。
しかし、この太陽系でさえ、あまりにも広大なため人間のスケール感を超越しており、
成り立ち等まだまだ分からないことだらけです。

私が「はやぶさ2」を応援する根源は、子供の頃持っていた探検心(新しいことの発見願望)の
延長のような気がします。
少しずつ拡大する活動範囲に比例し、新しい経験(知識)が増えていったことは一種の快感で
あったように思い出します。
これが進んで、新しい事象を発見する科学者になりたくなり理系の道へと進んできました。
さらに、前人未踏といういままで誰も成しえなかったことを成し遂げる冒険家に強い憧れを
抱くようにもなりました。
「はやぶさ2」が持ち帰ろうとしているサンプルから、太陽系の生成起源に関する新しい発見が
得られると期待でき、自分ごとのようにロマンを感じています。

今回のミッションを成功させるため、JAXAは運用に係る以下のような訓練を行っています。
・可能な限りリアリティーのある訓練ができるシミュレーターを製作・使用して運用訓練を重ねる
・初号機「はやぶさ」が経験した数々のトラブルを踏まえたオリジナルの訓練を実施
・わざと不測の事態を発生させ、その緊急事態からの復旧手順を訓練

前記の内容から以下の重要な内容がピックアップできます。
1) リアリティーのある訓練の必要性
2) 過去の事故事例を学ぶ(風化させない)重要性
3) 想定外をなくすための訓練の重要性

これらのことは、私たちが支援先様で実施しているリスク管理の基本に他なりません。
あらためて基本の重要性を痛感しました。

今後の宇宙開発は、科学への貢献とともに、資源探査等のもっと現実的なものにシフトして
いきます。
初号機「はやぶさ」に続き、「はやぶさ2」でもミッションが成功すれば、今後の宇宙開発でも
日本の存在感を一層高めることができ、併せて、小惑星探査など得意な技術を持っていることで、
日本が優位な立場に立てると思われます。

現段階では往路が終了したにすぎせん。
サンプル採取等、まだまだ幾つもの大きなハードルを越えなければなりません。
当初の目的が完遂できるよう、更にエールを送り続けたいと思います。

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