コンサルタントコラム

国の『イメージ』と『実像』

2018年08月27日

コンサルタント

船津 佑太

皆さん初めまして。今年4月に入社した船津佑太と申します。
夏ですね。夏と言えば夏休み。夏休みと言えば旅行ですが、
海外に行かれた方も多いでしょう。

海外に行かれたことのある方は、旅行に行く前に持っていた他国の「イメージ」は、
いい意味でも悪い意味でも「実像」と異なっていたことに気づいた、
ということはありませんでしょうか。
私は、多くの国を訪れたことがあり、また、それ以上に多くの国の人々と交流した経験があります。
今回はこのコラムを通して日本と他国の「イメージ」と「実像」についてお話ししたいと思います。


◆他国に対する「イメージ」、行くことで見えてきた「実像」◆

これまで訪れた中で、「イメージ」と「実像」が特に大きく異なっていた国について
紹介したいと思います。


<ロシア>
大学時代はロシア語を専攻していたので、サンクトペテルブルク市に1年間
語学留学をしました。ロシアに関して想像することは、まず「寒い」ではないでしょうか。
確かに私が留学していたころは特に寒く、冬はマイナス35℃まで下がりました。
しかし、場所によっては大分温暖な地域もあるほか、温暖化により雪があまり
降らなくなった地域もあるのです。
それに、暖房がしっかりしているため、屋内ではほとんど寒さを感じることはありません。
逆に、東京に来たロシア人が「日本の方が寒い」と言うのを何度も聞いたことがあります。

また、ロシア人をイメージする際、白人をイメージする方が多いようですが、
実際には百以上の民族を持つ多民族国家であり、中東系の顔立ちや日本人にそっくりな
アジア系の方々も多く見受けられました。


<シリア>
シリアとは、内戦により多数の難民や死者を出しており、危険な印象を持つ方が
多いと思います。しかし、戦前はそうでもありませんでした。
私は2010年の2月ごろに旅行で訪れ、今まで旅行した中で最も素敵な場所でした。
治安はとてもよく、旅先で出会ったドイツ人やフランス人からは、
「自分の国よりもとても安全」ということを何度か聞きました。

また、シリアはワインが有名で、「イスラーム教国では酒が飲めない」という
私の思い込みは簡単に崩れ去りました。それどころか、キリスト教徒も多数存在したので、
「イスラーム教国」と呼ぶこと自体、必ずしも正しくないのかもしれません。
宗教を問わず、人々はとても親切で、何度も助けてもらった他、現地で出会った人には
「これがアラブのもてなし方だ」と言って食事をおごってもらったことすらあります。

紛争によりなかなか行くことがかないませんが、以前訪れた時とどのように変化があったか、
いずれまた自分の目で確かめたいと思います。


◆他国からの日本に対する「イメージ」、そして「実像」◆

私は、大学時代に多くの留学生と交流する機会があり、
また今でも日本に住む外国人の友人が多くいます。
ここでは、よく耳にする「イメージ」と彼らが目の当たりにした「実像」をいくつか紹介したいと思います。


「科学技術が非常に進んだ国」
日本についてよく聞くのは、科学の水準についてです。
特に数年前までは、あらゆる分野において日本製品が無敵を誇っていました。
そのような歴史があったため、今でもこのようなイメージを持つ方が少なくないようです。

しかし、旅行者から出る意見で多いのは、無料で利用できるWi-Fiが少ないことです。
ヨーロッパでは無料でWi-Fiを提供している場所が非常に多く、また、東南アジアでも
公共Wi-Fiの整備が進んでいます。まさかこの日本でインターネットに一日中接続できなくなるとは
思わなかった、とも。
また、日本に住んでいる外国の方にとっては、キャッシュレス化や役所・銀行などの電子化が
進んでいないことも意外だそうです。

上記に挙げたことはいずれも、数年前に比べ改善されてきているようなので、
個人的には時間の問題だと思いますが、東京2020大会までには間に合うとよいですね。


「日本人は礼儀正しい」
日本を訪れた方からは、「やはり日本人は礼儀正しい!」とよく聞きます。
店では客を笑顔で迎え、深々とお辞儀をして感謝を表す。そんな姿に旅行者は感動します。
まさにイメージ通りです。

しかし、一部では、「店員による外国人への対応が雑」という意見もあります。
一見、非常に礼儀正しく見えますが、外国人への対応がマニュアル化されているのか、
店に入るや否や英語のメニューを渡される、等です。
訪日旅行者数のシェアでいえばトップは韓国、中国、台湾であり、また欧米人でも英語が
わからない人は少なくないのに、英語でのコミュニケーションに固執するのは少し乱暴では、
と言う友人もいます。

しかし、これも徐々に改善されてきていると感じるようになりました。
外国人=英語という「イメージ」を考え直し、実情に即した対応を大切にする場面が
少しずつ増えているのです。
先日、防災関係の仕事で、避難所へ来た外国人被災者へ対応について、とある市の
職員の方のお話を聞きました。その方によると、英語の説明だけあっても不十分であり、
中国語やスペイン語、ポルトガル語等の言語での説明資料も作成する必要があるとのことでした。
このように、真に役に立つ支援を本気で考えることこそが本当の「礼儀正しさ」で、
これから広がっていくのではないかと思います。


◆現実」を見据えて◆

私がお伝えしたいのは「イメージ=思い込み」であるということです。
他国への評価は、ニュースや噂など、伝聞のみによって形成されることがほとんどです。
しかし、伝聞によってもたらされるわずかな情報から正確な評価を行うのは難しいのです。
同時に、「評価される側」も「どう思われているか」に勝手な思い込みがあります。

ニュースを見て、「あの国はやばそうだ」と思いそうになった時、
必ずしもそうではないかもしれない、と一呼吸おいて、その国についてもっと調べてみれば、
意外な「実像」を知ることができるかもしれません。

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