コンサルタントコラム

マスクの向こう側

2020年12月01日

チーフコンサルタント

花井 香奈子

2020年12月。今年もあっという間に最終月となりました。本来であれば、今年は世界中でオリンピックという共通の話題で沸くはずでしたが、その代わりに、コロナウィルスという共通の単語が飛び交うことになりました。

気がつけば、街中の人がいつ何時もマスクをつけるという光景が日常になっています。これまでは、人に会うときに顔を覆うということは考えられませんでしたが、今やマスクで覆わなくては失礼という、これまでとは逆の常識が浸透しつつあります。

マスク継続歴10ヶ月ともなると、皆様の周りでも急増しているのが、「目元でしかお会いしたことのない人」ではないでしょうか。お相手のマスクの下にどんな世界が広がっているのかは、想像する人の自由です。だからこそ、マスクに隠された部分と上手に付き合うことは大事だなと実感するようになりました。今回は、そんなマスクの向こう側の世界(マスクに隠れた物理的な部分、心理的な部分)について感じたことをお話ししたいと思います。

『人は美化をする恐ろしい生き物である・・・』
これまでマスク姿でしか会ったことのない方がマスクを外す機会があったときに、「あれ?想像と違うな」と思われたことはないでしょうか。

これは人の持つ補完能力という素晴らしい力の仕業です。この補完能力、見えないものを想像で補い、完成させるということなのですが、マスクで半分以上隠れている「顔」を勝手に作り上げるのですから、当然現実とはギャップが生まれてしまいます。厄介なのが、多くの場合、想像する側がこれまでの良い記憶に引っ張られ、相手を美化させる方向に働きがちということです。その結果、「あれ?」ということが起るようです。

脳の働きとは実に興味深く、面白いのですが、これは個人的には実に恐ろしい・・・。予防低減策として、お相手の自由な想像を刺激しないよう、オンライン会議でお客様と初対面する場合はできるだけマスクを外すようにしています。

『目は口ほどにモノが言えているのか・・・』
「目は口ほどにモノを言う」とあるように、言葉とは違って目は嘘がつけないと言われます。しかし、実際のところはどうでしょうか。マスクをすると余計なものが隠され目元がフォーカスされますが、その小さい面積では時に見えづらく、個人的にはむしろ表情が読み取りづらいと感じてしまいます。

相手の表情が読み取れないという状況が長く続くと、我々は不安になってしまうものです。そこで、マスクの下では、いつも以上に大きな表情を心掛けるようになりました。加えて、話をする際には声のトーンを意識的に変える、聞いている場合は相槌を大きくする、ジェスチャーを取り入れるなど、表情で補いきれない部分をいかに正確に伝えるか、コミュニケーションの基本をこれまで以上に意識するようになりました。

ちなみに、見えているパーツで感情表現をするためには、眉毛で表す方法もあります。福笑いを想像すると、確かに眉毛の動きは印象を大きく変える要素になりそうです。とはいえ、使い方にはお国柄、個人差もあるようですし、私個人でいうと眉毛で色々と表現することには技術的に限界がありそうでした。

たかがマスク、されどマスク。ウィルスの飛沫を防ぐための存在でしかなかったマスクにこんなに真剣に向き合う日が来るとは思いませんでした。
マスクの向こう側の世界とこれからもうまく付き合っていきたいと思う、そんな2020年。来年はどんな向こう側の話ができるのか、一日でも早く状況が好転することを願ってやみません。

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