コンサルタントコラム

先達に学んで達成したアメリカ大陸横断

2012年06月06日

コンサルタント

伊藤 隆

皆様はじめまして。伊藤と申します。

縁ありまして4月より 東京都BCP策定支援事業に参加しています。
コラム初登場ですが、どうぞよろしくお願い致します。
私は前職でいろいろな国を訪れましたが、 人生初の海外経験はアメリカ駐在
でした。

住んだのは、ニューイングランド地方の中心地ボストンと、
西海岸の霧の街サンフランシスコです。
それぞれ1年、2年半の滞在でしたが、ボストンはイギリスの 趣きをそのまま
残した緑多き街、サンフランシスコは坂と ケーブルカーと霧に代表されるエキゾチックな街と、 二つともアメリカを代表する美しい街でした。

赴任当時、私は未だ23歳(40年も前のことです)でした。
赴任する前の2年間ほど、英会話教室に通いましたが、 そのレベルは
知れたもので、 赴任後は、仕事場では先輩日本人駐在員のお世話になり、
私生活ではもっぱら日本語が通じる世界で生活していました。

初めての外国生活、見知らぬ町、全く違う生活スタイルの中で、
アパート探し・契約、車の購入、免許の書きかえから、 初めての左ハンドル・
オートマチック車の運転など、 戸惑い、頭を抱えることばかりでした。

そんな時多くの貴重なアドバイスを頂いたり、 直接支援をしてくださったのは、
既にボストンに住んでおられた先達の方々でした。
みなさんそれぞれに同じことを経験され、 克服してこられた方々です。
本当に助かりました。

ボストンに赴任して1年たった頃、 突然西海岸のサンフランシスコへの赴任を
言い渡されました。

赴任することには問題はなかったのですが、
悩んだのは半年前くらいに購入した新車のことでした。

車をどうするか、取れる手立てとしては以下の3つでした。
1)売って赴任先で買いなおす
2)搬送してもらう
3)自分で運転していく
悩んだ末に最終的に選んだのは3番でした。

決め手は何と言っても、この広大な アメリカ大陸を横断してみたいという強い思いでした。 ニューオリンズにも会社の駐在員がいましたので、 そこへ寄って行きたいという気持ちもありました。

と言いましても、
直線距離で6,000km、ニューオリンズに寄るとすると9,000km近く になりますので、言うほど簡単なものではありません。 そこで、お世話になっている先達の方々に相談しましたら、 次のようなアドバイスしてくださいました。

*アメリカは広大な国なので次の町までの距離が長いことから:
1. ガソリンはタンク半分以下になったら必ず給油する
2. 給油で止まった際には必ずエンジンオイル、ウインドウォッシャー液なども
チェックする
3. 夕方5時を過ぎたら必ず宿を確保し無理をしない

 

*また、知らない町へ行くので:
1. 危なそうな場所には近づかない
2.あまりきれいな格好はしない
3.現金をたくさん持ち歩かない

当時は意識していませんでしたが、これこそリスク マネジメントの基本行動だったのではないでしょうか。

大陸横断と言う千載一隅のチャンスに対して、
1.広大なアメリカ大陸を1人でドライブする
2.知らない町で滞在する

ということの危険性を認識する。
それによってどういうリスクが想定されるかを考え、 予め対応策を考えておく。
実施にあたっては、それらの想定されたリスクを 可能な限り避けるように努力
する。

先達の皆さんのおかげでちゃんとリクスマネジメントが 出来、そのおかげで、
小さな失敗はありましたが、 事故もなく無事サンフランシスコへ赴任できました。
走行距離約9,000km、11日間の一人旅でした。

皆さんも、若いうちに(お年を召されてからでも良いですが)
思い切って冒険をしてみてはいかがでしょう。
でもその時は、くれぐれも無理をなさらず、
リスクマネジメントの基本をお忘れなく。

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