コンサルタントコラム

「一粒で二度おいしいリスクマネジメント」

2009年10月28日

コンサルタント

高木 真樹

こんにちは!ニュートン・コンサルティングの高木真樹です。

コンサルタントコラム第2弾の今回は、
「一粒で二度おいしいリスクマネジメント」についてお話しします。

「いつ起こるか分からない」リスクに対しての投資は
投資対効果が見えにくく、「何も起こらなければ無駄になってしまう」
と優先度を下げられがちです。

特に経済環境が厳しくなると、真っ先に予算をカットされてしまうのも
そういった意識が強いからだと思われます。

リスクマネジメントの必要性を痛感していて、
何とか前向きに取り組みを進めたいと思われている方にとっては、
ここ最近は、厳しい状況が続いていることと思います。

そこで私は「一粒で二度美味しい、貪欲なリスクマネジメント」
の実践をおすすめします。

実はリスクマネジメントとは、「何かが起こった時のため」の準備を通じて、
「何も起こらない時でも」メリットを得られる側面があるのです。
そこを考えることで、リスクマネジメントを前向きな投資対象として

見直してみたいと思います。

「何も起こらない時でも」得られるメリットのひとつに
コスト削減があります。

では、そのようなリスクマネジメント実践のためには、
何をすればよいのでしょうか。
たとえば、次の3つの分野で最適化を実施すると、
コスト削減への効果が期待できます。

(1) マネジメント
(2) 管理部門
(3) 業務部門

それぞれの分野で最適化すべき内容について考えてみましょう。

(1) マネジメントの投資判断を最適化する

会社を取り巻く様々なリスクのうち、
どれに対して十分な対策が講じられていて、
どれに対しては早急な対応が求められているか、
一覧できる情報は揃っていますか?

こういった情報について、俯瞰的に整理を行うことで、
中長期的な視点でマネジメントが意思決定を行えるようになります。
いま、このときに最適な投資判断は何か、という観点での
意思決定ができるため、結果的に無駄なコストを抑えることにつながります。

(2) 管理部門のリスク管理体制を最適化する

リスクごとに異なる主管組織を立ち上げ、しかも、
それらが横の連携がないまま、個々に運営されていませんか。

これは、ISOなどの認証を複数取得している企業で見受けられる状況です。
個々のマネジメントシステムに事務局が存在し、
管理手順の不整合や重複が発生してしまうのです。
これでは、せっかくのリスクマネジメントの仕組みが十分に生かされません。

こういったリスク管理体制を見直し、最適化することで、
無駄な社内工数を抑えることができます。

(3) 業務部門の業務プロセスを最適化する

自社にとって、リスクから守るべきものが明確になっていますか?

漏洩事故から守らなければならない情報は何か。
災害時にも継続しなければならない製品・サービスは何か。
法規制上、ガバナンスを強化しなければならないプロセスは何か。

これらを特定するために、現状の業務の中身を棚卸する過程で
「なんとなく続けていただけの、不要な」業務が明らかになり、
「本当に必要な」業務を洗い出すことができます。
適切な投資対象が明確になり、やはり、無駄なコストの削減につながります。

今回は、「一粒で二度おいしい」リスクマネジメントという観点で、
「何かが起こった時に」リスクに強い組織になれるだけでなく、
「何も起こらない時でも」経営上の大きなメリットを得てしまいましょう、
という、欲張りなアプローチをご紹介しました。

このコラムをきかっけに、
リスクマネジメントを前向きな投資対象として見直していただけたら幸いです。