コンサルタントコラム

「「新年の手帳選び」から考えるBCP文書化成功の秘訣」

2010年01月13日

コンサルタント

高木 真樹

こんにちは!ニュートン・コンサルティングの高木真樹です。
新しい年が始まり、1週間たちました。
1月始まりの手帳を使っていらっしゃる方は、
新しい手帳の使い勝手が分からず試行錯誤されているころでしょうか。

私も昨年末に購入したおろしたての手帳を片手に、
自分に合った「使いこなし術」に頭を捻っているところです。

2010年のコンサルコラム第一弾となる今回は、
「新しい年の手帳選び」というイベントを通して
「BCP文書化の実現のポイント」について皆さんと考えてみたいと思います。

「BCP文書化の実現」は、BCPの策定・導入を成功させるうえで、
重要なステップのひとつです。

「BCPの文書化」を成功させられれば、BCPの有効性を最大化でき、
「BCPの文書化」が失敗すれば、BCPは「絵に描いた餅」になってしまいます。

さて、有効な「BCPの文書化」を実現するためのポイントは以下の3点です。
1) 用途に応じた冊子の使い分けをすること
2) 情報を整理しやすく後から見たときに理解しやすい様式にすること
3) 有効性を検証し改善すること

これらのポイントを「手帳選び」というプロセスと重ねて考えてみましょう。

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1) 『用途に応じた冊子の使い分けをすること』

手帳の場合、例えば「バイブルサイズのスケジュール帳とA4サイズのノート」
という使い分けをしたとします。

「持ち運びやすさが重要な冊子(バイブルサイズのスケジュール帳)は
常にかばんの中へ入れておき、情報量が必要な冊子(A4サイズのノート)は
デスクの引き出しにしまい必要に応じて取り出す」

この使い分けの利点は、機動力と網羅性の両方を確保できることです。
「閲覧頻度と緊急性の高い情報(スケジュール等)は常に手に届くところに、
閲覧頻度は低いが必須の情報(案件情報等)は必要に応じて取り出す」

これをBCPの場合に置き換えてみると、
「カードサイズの抜粋版BCPとA4サイズのファイルを使い分け」となります。

「持ち運びやすさが重要な冊子(基本原則や緊急時連絡先、初期初動対応等)は
小さい折りたたみサイズにして常にIDカードホルダーの中へ入れておき、
情報量が必要な冊子(BCP発動時の業務手順書等)は
A4サイズのファイルに綴じてキャビネットに保管し必要に応じて取り出す」

ということです。これで、機動力と網羅性のあるBCPを実現できます。

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2) 情報を整理しやすく後から見たときに理解しやすい様式にすること

手帳の場合を想像すると言うまでもないことですが、「スケジュール管理を
通じて仕事の効率を上げ成果を最大化する」という目的から考えると、
「書き込みやすさ」と「見やすさ」を追求するというのは当然のことです。

ただし、どのような様式がベストか、というのは十人十色です。
私の場合は、
「見開き1週間、メモリ付バーチカル、各日下段の自由記入欄も充実」
の様式が経験上もっとも仕事の効率性・有効性が上がりました。
理由は、スケジュールもタスクの進捗も同じページで管理できるため、また、
会社で利用しているGoogleカレンダーの機能と同じインターフェースのため
視覚的に情報を把握しやすいため、です。

手帳であってもBCPであっても、普段の仕事の仕方から考えて、
その人(組織)にベストな様式を選択することが重要です。

したがって、現場の各部門にある程度の意思決定が委ねられており、
緊急時においても、本部の指示を待たずに機動的に対処する組織には、
「各業務手順書の巻末に全社の緊急時対応フロー図を添付する」という
BCPを策定し、各部門で全社的な流れを把握しながら
個別業務の継続手順を推進する、というスタイルも考えられます。

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3) 有効性を検証し改善すること

手帳の場合、 「有効性(=仕事の効率が上がるか、成果が上がるか)を検証する」
ためには、まずはその手帳を使ってみる、ということになります。
その結果「改善する」必要があれば、使い方を工夫するか、
別の冊子に買い換える、という選択になるでしょう。

ただし、買い換えるとなると、初めの手帳への投資が無駄になります。
そこで、効率的に有効性を確保するには、「過去に使ってみて使い勝手が
よかったものを選ぶ」ことが最も間違いがありませんが、
それでは選択肢の幅がいつまでも広がりません。

そこで、皆さんがよくとられる方法が、
「他人が使ってよかったものをお勧めしてもらう」というものでしょう。
年末になると雑誌などのメディアで「手帳術」特集が出回るのも、
こうした経験者のアドバイスに対するニーズがあることの表れです。

BCPについても、最近では同じ傾向が見られます。
つまり、他者(他社)が試して有効だった方法を参考にBCPを作成したい、
という企業様が増えているということです。

ここで重要なのは、BCPの「有効性」は、
「作成したBCPについて運用開始前に演習を実施する」ことによって、
最も確実に検証できることには変わりはないということです。
私たちも常に「演習を行うことは絶対に必要です」とお伝えしています。

しかし、効率性・有効性を高めるために、BCPの取り組みの最初の段階から、
他社が経験から得た「学び」を最大限に生かそう、というのは大賛成です。

いわば、他社の経験で「有効性が検証・改善されている」ベストプラクティスを
さらに自分たちの手によって「有効性を検証し改善する」ことによって、
もっとも有効なBCPを作成することができるわけです。

そのためには、私たちBCMコンサルタントとしても、
より具体的な事例のご紹介や、有効な構築手法に関する情報発信など、
まだまだお役に立てるはずのことがたくさんあると思っています。

 

今回のコラムでは、「新年の手帳選び」というイベントを通して
下記の3つの「BCP文書化の実現のポイント」について考えてみました。
1) 用途に応じた冊子の使い分けをすること
2) 情報を整理しやすく後から見たときに理解しやすい様式にすること
3) 有効性を検証し改善すること

皆様の職場でも、新しい年の初めに、
「今あるBCPがどのように文書化されているか」
「これからBCPの文書をどのように実現していくべきか」を
ぜひ考えてみてください。
その際に、今回ご紹介したお話を参考にしていただければ幸いです。

2010年は、日本国内の「BCMS適合性評価制度」が本格スタートする年です。
皆様の事業継続の取り組みがますます加速するように、
私たちニュートン・コンサルティングも力を緩めることなく、
加速してまいります。

本年も、どうぞよろしくお願いいたします!