コンサルタントコラム

「強さ」と「優しさ」を持った事業継続

2011年03月23日

コンサルタント

副島 一也

3月11日、国内観測史上最大といわれるM9の東日本大震災が発生しました。被害を受けられた方々に謹んでお見舞い申し上げます。

さて、弊社はこうした災害に備えてお客様と共に、お客様のBCP策定のお手伝いを行ってきました。おかげさまで、多くのお客様から、「やっていて良かった」というお声をいただいております。

今回、思った以上に多く伺ったのは、被災時に社長をはじめとする経営幹部が会社に不在だったというケースです。そうした中、代行の仕組みや対策本部の役割が事前に決められていた企業では実に適切に初期初動対応が行われたと、対策本部の写真まで送って下さったお客様もいらっしゃいました。

また、重要な生産拠点が被災されたお客様もありました。こちらでは、事前に用意された手順に沿って、代替の生産拠点での対応に切り替えられました。

こうした対応は、被災後に考え始めたのでは、必要な対応時間に間に合わないかもしれません。平時のリスクマネジメントの重要性、BCP構築の有効性を感じられる時、不幸な出来事の中にささやかな安堵を感じる瞬間です。

ただ、このところ、多くのお客様とお話ししたり、自分自身が経営者として事業継続を行っていくにあたり、技術的なこと以外に立ちはだかる大きな課題も感じています。それは「被災時の心の問題」です。

これほど大きな災害となると、日本中が大きなショックを受けています。また、従業員やその家族、親類も被災しているかもしれません。実際、当社にも、家族の安否が確認できずにずっと不安を抱えていた社員が複数いました。そうした社員の隣で、我々は一方で事業継続も行わければなりません。組織は、組織内の安否確認の仕組みを整備することに大変苦労していますが、社員のみならず、社員の家族の安否まで含めて速やかに確認できる方法の整備まで考えていく必要を感じます。

震災後12日を経ましたが、関東においても、駅の構内やコンビニの照明は暗く、会社内の空調も肌寒い環境です。諸々の事業イベントも中止、延期が相次いでいます。

そうした環境ではありますが、我々は、ただ静かにしているだけでは生きていけません。日本経済を沈ませるわけにはいきません。

傷ついた同僚や取引先、被災地の方々を労わり、出来る限りの支援をしながら、同時に力強く事業継続も進めていきたいと思います。「優しさ」と「強さ」を併せ持った事業継続の実行を進めていかなければと思います。

最後に、3月25日に東京都主催(弊社が事務局)で開催が予定されていた「東京都中小企業BCP策定推進フォーラム」が中止となりました。この時期だけにご期待いただいた多くの皆様にご迷惑をおかけしました。震災後、多くの催しが中止される中で、力強く実施したい想いもありました。しかしながら、災害の全容も未だ分からず、余震が続き、節電に注力しているこのタイミングで、大勢の人を集めるイベントの実施は不可との判断となりました。

今回は大変残念ではありますが、驚くほどの強さと優しさを持って、策定したBCPを動かした多くの中小企業が存在しています。

今回のような災害にも負けないよう、リスクマネジメントに時間と労力、資源を裂き、備えていた中小企業がたくましく対応された事例は、多くの他の中小企業を勇気づけることと思います。そうした多くの成果はいつかどこかで、何らかの形で必ずお届けしたいと思っています。

その際には是非またご期待いただきたく、よろしくお願い致します。