コンサルタントコラム

有事に欲しい情報ってどんなもの?

2013年04月24日

コンサルタント

片岡 万利子

みなさんこんにちは、片岡万利子です。

先日、愛煙家の友人に「最近タバコをカートン買いしたら、
箱包装でなく、簡易包装(透明フィルムのようなもの)
になっていた」という話を聞きました。

リサイクル等の観点かららしいのですが、
デザインを重要視する業界だと思っていたので
その決断に少々びっくりしました。

しかし友人の「でもたばこひと箱ひと箱もその商品と判る
デザインなのだから、透明フィルムの包装であれば
買う時にも特に問題なんじゃない」という言葉に、
その通りだと思いました。

この透明フィルムの話をしているうちに私はある
BCP訓練のことを思い出しました。
今日はそのBCP訓練で私が感じた有事の際の情報発信の
あり方についてお話させて頂きたいと思います。

訓練が終わり、反省点として備蓄品に関することが
話題になりました。
私は備蓄品を配る側の一人だったのですが、
訓練の中でどのタイミングで、だれに、どの位、
何を配ればいいのか判断がつかなかったのです。

備蓄品は無尽蔵にある訳ではありませんので、
配る側が全体の状況を把握できなかったため
若干の混乱を招きました。
何が、どの位、どこに準備されているのかということを
知っているのが一部の担当者だけだったことが原因でした。

これは配る側だけが必要とする情報ではありません。
もし自分がもらう側だったら、何も知らされていなければ
「そもそも食料や水はあるのか」とか
「どんなものがあるのだろうか」とか
「何回分もらえるのだろうか」といった疑問がわき起こったでしょう。

そしてそれに対する明確な答えがなかった場合、
不安になり、それが会社全体に広がっていき、
やがて不満を抱くようになるような気がしました。

このような状況ではせっかくの備蓄品も十分に活用できない
可能性さえ出てきてしまうのではないかと思います。

では自分なら一体どんな情報が欲しいだろうと考えてみると、
ただ単に「備蓄品がある」という情報だけでは不十分で、
何がどの位用意してあるのかという
個別の中身が分かる情報が欲しいはずです。

その理由は、まずひとつは自分の置かれている状況と
今後起こり得るであろう状況を予測し、把握したいからです。
もうひとつはその起こり得る状況が自分にとって
なにか問題がある(命にかかわる!?)ならば、
それをコントロールしたいと考えるからだと思います。

例えば、もし仮に自分の会社に備蓄が3日分しかないとします。
その理由はスペースの問題であったり、コストの問題であったり
するかもしれません。そして自分の家は会社から遠く
十中八九帰宅困難となることがわかっていて、
かつその状況が3日以上続く可能性が高いとします。

その理由も含めて会社の備蓄が3日分だと事前に知っていたら、
私は自分自身に必要だと思われるものを会社に置いておく等の
追加の対策を事前に打つと思うのです。

こういった情報は発信する(経営者)側から見れば明確には
伝えたくない、あまりおおっぴらにしたくないネガティブな
情報なのかもしれません。
しかしそれを明確な理由とともに率直に伝えてもらえれば、
情報を受ける(社員)側の私達は自分自身でも
判断することが可能となり、自分の身を守るための
アクションにつなげられると思います。

つまり発信する側には「備蓄がある」という結果を
まとめただけの情報ではなく、
「どんな備蓄品をどのくらい用意している」というような
個別の内容が透けて見える情報をひとかたまりにして
発信することが求められるのではないかと思うのです。

そして情報を受ける側も、自分自身でポジティブな方向に
活用するという姿勢をもつことが大切だと思います。

まずは有事に際に自分が「どういう状況になるか」
「そのときどうしたいと思うか」を予測した上で、
会社が用意してくれているものを検証してみては
いかがでしょうか。

できることは小さいことかもしれませんが、
ひとつひとつを積み重ねて会社と自分が互いに補完し合い、 この2つが組み合わされ、それが会社全体に広がれば
自分自身はもちろん会社そのものの対応力も
さらに高まるのではないかと思います。