コンサルタントコラム

地下鉄利用中に地震に被災したら!?

2013年07月03日

コンサルタント

小林 利彦

コンサルタント 小林 利彦

はじめまして。小林と申します。
本年4月にニュートン・コンサルティングに入社し、
現在、東京都BCP策定支援事業を担当しております。

毎日のように企業・組織様を訪問していますが、
その交通手段として最も多用するのは地下鉄です。
また私は埼玉在住ですが、地下鉄は通勤経路の一部でもあります。
年ごとに拡張を続ける東京の地下鉄網の精緻さ、便利さには
驚かされる一方ですが、
もし利用中に地震が発生したら、という被災不安が頭をよぎりました。
そこで今回は、防災・減災の手段である「自助」の観点から、
地下鉄の駅ホームや構内、地下鉄乗車中において
東京湾北部地震(M7.3)が発生した場合にとるべき対応を、
一般的な知見をもとに整理してみました。

地震の際、地下施設は地盤と一緒に動くため、
地上施設より壊れる確率が原則的には低いと言われます。
東日本大震災においても、
仙台市営地下鉄の地下施設にはほとんど被害がなかったそうです。
また、地下はエリアによってかなりの高低差があります。
よく利用する駅周辺の高低差を確認しておくだけでも
非常時の有用な判断材料となりえるでしょう。

駅のホームや構内で地震が発生した場合、
まず周囲の状況を確認し、構内放送や駅員の指示に従い行動します。
地下鉄駅には、煙探知機、防煙たれ壁、防火シャッター、発電機、
浸水防止機、排水ポンプ、避難誘導システム等といった
防災設備が完備されていますので、
地上に飛び出すより、地下にとどまったほうが安全と考えられています。

特に出入口付近では、地上から地下に避難する集団と、
地下から地上に避難する集団が交錯し、大混乱となる可能性があります。
狭い階段で身動きがとれなくなると命の危険にもつながります。
慌てず騒がず、パニックになることを避けて冷静になりましょう。

地下鉄各社によれば、
各所に設置された地震計が揺れを検知すると、
走行中の車両は自動的または手動で緊急停車します。
トンネル内で緊急停車しても、
車両内の照明は非常用バッテリーで確保され、
ドア開閉、客室放送設備、無線等も1時間程度は非常電源で作動します。

ここで、乗車中に地震の揺れを感じたり、
緊急車内放送があった場合の重要な対応内容を書き出してみます。

1)窓ガラスなどから直ちに離れ、
  できるだけ車両中央の手すりや吊り革につかまって両足で踏ん張り、
  揺れや緊急停車に耐える体制をとる

2)乗務員や係員の指示に従い、
  先頭車両と最後尾車両にある非常口から避難する
  勝手に車両から出ないことが鉄則

3)トンネル内には「避難口」はないので、
  足元の壁面に表示されている
  最寄り駅の方向と距離のプレートを目印に駅を目指す

<注意事項>
 ◯非常用開閉コックでドアを開けていきなり飛び出すと、
  反対車線の車両が走行してくる可能性もあり危険です
 ◯銀座線および丸の内線は、
  第三軌条と言われる直流600Vの高圧給電レールが
  通常レール横に併設されていて危険です
  必ず乗務員や係員の指示に従いましょう!

私自身は、地下鉄の利用中に被災した経験はありません。
経験があれば、自ずと行動に余裕が生まれるのでしょうけれども、
起震車による疑似被災体験だけでは、いかんせん想像の域を出ません。
「天災は忘れた頃にやってくる」という警句を戒めに、
普段から不測の事態を想定して、
いざというときにどう行動するかを考えておきたいと思います。
まずは外出中は、水のペットボトルや、
携帯電話用予備電池、震災時帰宅支援マップ等、
そして行動指針が記された当社のポケットBCPを
携行するところから始めたいと思います。