コンサルタントコラム

おもてなし自己適合宣言

2013年09月25日

コンサルタント

村田 成巳

こんにちは、村田です。
経済産業省受託事業「事業競争力強化モデル事業」事務局の一員として、
全国28グループの取組支援をしています。
今日は「おもてなし」についてお話しいたします。

滝川クリステルさんのオリンピック招致プレゼンで
話題になった「おもてなし」は、
接待の仕方を表す日本独特の表現です。
私が考える「おもてなし」とは、たとえば、
友人を自宅に招いた時のふるまいのことです。
事前にお掃除をして、友人の好きな料理を作り、
互いに好きなBGMで心地よい空間を作ってお迎えする。
このように、相手を愛しみ、互いに心地よい環境を作り、
コミュニケーションを交わしていくことが「おもてなし」だと思うのです。

「おもてなし」は決して難しいことではありません。
相手を知り、理解して、望むであろうことを提案・実践することが
互いのコミュニケーションに繋がり、
相互の信頼感の向上にもつながります。
しかし、せっかくこちらが「おもてなし」の気持で接しても、
相手が感じてくれなければ効果はありません。
重要なのは、会話、コミュニケーションです。
そういう意味でも、最初の一言をスムーズにするアプローチとして
「おもてなし」の気持ちは効果的なのです。

「おもてなし」は、接客マニュアルのキーワードとしてもよく利用されます。
お客様を迎えるご挨拶に、「いらっしゃいませ」という接客用語があります。
この言葉は丁寧なようでいて、やや高所から発せられている表現です。
「来てくれてありがとう」というような感じですね。
私はかつてブランドショップに勤務していたことがありますが、
そのショップでは「こんにちは」というご挨拶が使われていました。
お客様の目をやさしく見て、にこやかに「こんにちは」と声をかけると、
お客様も緊張感がとれ、ほんのりニコッと笑って
「こんにちは」と自然に返答してくれます。
実はこれは東京ディズニーリゾートでも同じで、
キャストは決して「いらっしゃいませ」と言いません。
元気に、にこやかに「こんにちは」と言ってくれます。
「こんにちは」は次のコミュニケーションの始まりにつながる。
それが「おもてなし」のあらわれなのではないでしょうか。

夏休みに家族でディズニーランドに行ったときのことです。
駐車場はなんと夜中の1:30からオープンしていたとのこと。
ここにも、遠方からのロングドライブで疲れたお客様を迎え入れる
「おもてなし」の発想があると思いますが、
私が唸らされたのは、入場間際のアナウンスでした。
開園を待つ長蛇の列では、皆、シートを引いてくつろいでいましたが、
陽が上るにつれてかなり暑くなってきました。
そこへ、落ち着いた男性の渋い声でアナウンスがありました。
「たくさんのお客様が並ばれており、準備が整ったので5分開園を早めます」
皆はザワザワしましたが、まだ動く人はいません。
さらに5分後、開園を早めるので
「ご準備ください」という丁寧なアナウンスがありました。
立ち上がりはじめた人がちらほら出てきました。
さらに5分後、今度は「荷物をご準備ください」と具体的なアナウンス。
荷物をまとめ始める人たちがだいぶ増えてきました。
そしてさらに5分後、今度は明るい元気の良い女性の声で
「シートをたたみ、ご準備ください」というはっきりしたアナウンスです。
皆がいよいよ準備を始めると、すぐに同じ女性の声で、
「前の方をぬかさないで、少しずつ前にお進みください」。
この誘導のおかげでみごと全員が混乱もなく行動し、
気持ちよく入場することができました。

このアナウンスの男女や抑揚の段階的な切り替えは、
行列で待つ人の心理を知り尽くした、絶妙のものだと感心しました。
苦情や危険回避も考慮した素晴らしい「おもてなし」だと思います。

日本のオリンピック招致委員会は、
「おもてなし」の気持ちをもって観光客や選手たちを迎える宣言をして、
東京オリンピック2020を勝ちとりました。
私もお客様の信頼を勝ちとり、ビジネス拡大に結びつけていけるよう、
「おもてなし自己適合宣言」をして、ニコニコ・キビキビ・ハキハキ、
ビジネスにプライベートに励みたいと思います。
7年後のオリンピックで私はマラソンのボランティアをしてみたいのですが、
2020年の男子優勝タイムははたして2時間を切っているでしょうか。
楽しみでなりません。