コンサルタントコラム

「やってみせる」ことが人の行動を変える

2014年03月26日

コンサルタント

林 和志郎

コンサルタント 林 和志郎

皆さんこんにちは! コンサルタントの林です。

このコラムでも以前ご紹介したことがありますが、
私は消防団の活動に参加しています。

先日、私の住んでいる東京都区で消防団のイベントがありました。
当区には12の分団があるのですが、
それぞれの選手チームが技能を競いあうイベントです。
私も自分が所属する分団チームのひとりとして出場しました。
制限時間内に、一般の方への指導をデモンストレーションし、
説明のわかりやすさ、指示の的確さ、声の大きさ
といった評価項目に従い、数名の教官の採点で順位を決定します。
私の所属する分団は準優勝という好成績を残すことができました。

このイベントに向けて、
各分団では教育担当の先輩が選手チームを指導します。
わが分団には、過去5年連続で入賞し、
銀4回、金1回という成果を残した凄腕の先輩が指導役として当たりました。
選手として出場する人たちには、
消防団に入りたてで救命知識がない人もいれば、高齢の方もいる。
先輩は、そんな多様な選手を一定期間の中で指導するにあたって、

  やってみせ 言って聞かせて させてみせ
  ほめてやらねば 人は動かじ

という山本五十六の言葉を特に意識しているそうです。

私は、どうすれば一般の方に防災活動への興味をもっていただけるか、
という興味から、行動分析学の本を読んだことがあります。
行動分析学とは人の行動の予測と制御を扱う心理学の一種で、
応用的に、人の行動を変えるための戦略をも示すことができます。
上記の山本五十六の言葉を、この学問的に分析すると、

 やってみせ  →  モデリング  (模範を示す)
 言って聞かせて   →  言語的支持  (言葉で指示する)
 させてみせ  →  行動  (実際にやらせる)
 ほめてやらねば  →  強化  (行動をもっとするように強化する)
 人は動かじ  → 行動  (繰り返し行い定着させる)

ということになります。
実際に、自身が先輩に指導していただいた体験を思い返すと、

  • 実際に模範を示して理想のイメージを示してくれた
  • 少しでもできるとその都度、褒め、指導してくれた
  • 悩んだ際には、自分の意見も尊重し、一緒に考えてくれた

とまさに山本五十六の言葉がみごとに実践されていました。
今回のイベントでも、わが分団が準優勝できたのは、
模範を示す“モデリング”の効果が大きいと実感しています。
人の行動を変えるには、まず「やってみせ」ることが重要なのです。

 

消防団の活動はまだまだ一般の人への啓蒙が足りていません。
防災活動を続けている私も、
“ちょっと変わっている”と思われているかもしれません。
でも、そんな“変わり者”の活動を皆さんに知っていただくことも、
ひとつの“モデリング”だと考えるようになりました。
たとえば震災対応訓練として、早朝から分団施設に参集したり、
倒壊家屋からの人命救出訓練なども日々行っています。
先日のような大雪の際には雪かき等で出動したり、
平時でも消防車のサイレンが聞こえたときには、
その地域の消防団員が必ず出動しています。
そういった私たちの活動を知っていただくことで、
自分の家だけでなく、地域の防災についても、
ぜひ考えていただければと思います。