コンサルタントコラム

小惑星探査機「はやぶさ」に見る中小企業の技術力

2014年06月18日

コンサルタント

小林 利彦

コンサルタント 小林 利彦

こんにちは、コンサルタントの小林です。

先月末、小惑星探査機「はやぶさ2」の組み立てが8月に終了し、
12月には打ち上げられるとの記事が目に留まりました。
開発費が削られ、プロジェクト自体の中止も考えられていただけに、
先代の「はやぶさ」からのファンである私にとって、嬉しい記事でした。

はやぶさは目的地の小惑星「イトカワ」にタッチダウンして
表面サンプルを採取、
その後、絶体絶命とも思える数多の困難を乗り越えて、
奇しくも4年前の6月13日に地球に帰還しました。
本体は空気との摩擦熱により焼失してしまいましたが、
イトカワの微粒子サンプルが入っていた帰還カプセルは
無事地上に届けられました。

当時、私はインターネットによる中継を見ていましたが、
自然と目頭が熱くなってしまいました。
宇宙の彼方で幾多の苦難を乗り越えたはやぶさの冒険物語が、
あたかも鉄腕アトムの活躍のように私の心を打ったのです。

このはやぶさプロジェクトには、118の団体や企業が参加しています。
その中には日本各地の小さな町工場も含まれていました。
例えば、東京都江東区の(有)清水機械が、
帰還カプセルやサンプル採取装置などの試作品を製作。
埼玉県羽生市の(株)キットセイコーが、
はやぶさ全体に使用されたおよそ500本ものチタン製ネジを供給。
愛媛県西条市の(有)高橋工業が、
イトカワの表面サンプルの採集容器(サンプルキャッチャー)を
製作したのです。
これらの中小企業は、ある専門分野に特化した技術において
世界的な競争力を持っていると断言できます。
日本の工業製品の高い品質は
このような技術に裏打ちされていると思います。

町工場には「職人の技」と「もの作りの魂」が息づいている、
と常々考えていたところ、不思議な縁で、
昨年度、東京都に所在する中小企業の
BCP策定の支援をさせていただくことができました。
私が担当した企業のうち製造業は4社でした。
中小企業ゆえ、代替装置の導入や代替工場への製造移管といった
大きな費用を伴う事業継続対策をすぐに取ることはできませんでしたが、
機械・器具の移動防止、机・棚等の耐震固定、
ラック等からの物品の落下防止、安全保護具の整備、
避難経路の確保等により、
最も重要な経営資源である従業員の人命確保を
最優先に考えた対策を講じていただきました。
「職人の技」や「もの作りの魂」の継承に、
少しは力添えできたのではないかと思っています。

「はやぶさ2」は2014年12月に打ち上げられ、
2018年6月に小惑星「1999JU」に到着し、
約1年半にわたる探査後、2020年12月に帰還予定となっています。
6年間の長旅の間、エールを送り続けようと思います。