シニアコンサルタント
みなさん、こんにちは。
コンサルタントの高橋篤史です。
盆踊りの太鼓の音が遠く聞こえてくる季節になりました。
年に1回先祖を供養する行事として、
お盆は日本人ならだれでも知っているイベントですね。
小学生のころ、夏休みの盆踊りで
ばったり会ったクラスメイトの浴衣姿に
どぎまぎしたのも良い思い出です。
日常の雑多な用事や隙間のないスケジュールに
追い立てられるような日々の中で、
何か大切なものを置き忘れた気がすることはありませんか?
どこか気持ちのいい場所でゆっくりと心を休めたいものです。
海外のリゾート地で充電、ひなびた温泉で心身リフレッシュ。
いいですね。
でも、時間を確保するのが大変、それなりに出費もかさみます。
もっと手軽で経済的な方法はないでしょうか。
当社は東京都内のほぼ中心部に位置する千代田区にあり、
ビル群と喧噪に取り囲まれていますが、
少し足をのばすと、実に感じの良い神社があります。
ビルの隙間にひっそりと佇み、こじんまりとしてはいますが、
石の牛が数体鎮座していたり、
春には見ごたえのある一本桜が楽しめたりと、
なかなか個性的な趣があり、
私は毎朝、出社前に立ち寄ることにしています。
睡眠不足であろうが、前日にプランが行き詰まっていようが、
なぜか不思議と気持ちが安らぎ、
新たな意欲やアイディアが生まれるのです。
古来より、神社やお寺は、神様や仏様をまつる場所として、
良い“気”が集まる土地に建てられてきたといいます。
例えば、街道の分岐点や町の境界部であり、
地形でいうと、台地や平地の中の微高地などがそうです。
また、多くの人が集まる場所として、
安全なロケーションに位置していることが多いのです。
東日本大震災で津波に見舞われた福島県では、
浸水があった地区にある神社の約8割が
流されずに残ったという報告もあります。
それらの神社を擁する集落が高台にあったこと、
周囲の木々が津波の勢いを弱めたことなどがその理由ですが、
古代の日本人が備えていたであろう自然と共存する能力の象徴が、
寺社という形で現代に残っているのだとも言えるでしょう。
こういった歴史の持つ力が、
現代人である私の心に安心感を与えてくれるのではないかと思っています。
みなさんの自宅や職場の近くに、古い神社やお寺はありませんか?
初詣や冠婚葬祭以外で神社仏閣を訪れることは
あまりないかもしれませんが、
都内には歴史のある寺社が意外にたくさん存在しています。
もし、日々の業務に疲れてしまったら、
そこを訪れて、5分間だけ考えることを止めてみて下さい。
お賽銭もお参りも要りません。
ただ、その中に身を置くだけでよいのです。
一回きりでなく、何日か通ってみましょう。
もし、少しでも心が休まることがあり、
さらに新しい発見があれば、しめたものです。
その時は僅かばかりの志をお供えするのもいいですね。
手軽で経済的な神社仏閣の有効利用。
「心のリスク対策」のひとつとして、
頭の片隅に留めていただければ嬉しい限りです。