コンサルタントコラム

判断を先延ばしして5万円も出費が嵩んだお話

2014年08月13日

シニアコンサルタント

辻井 伸夫

シニアコンサルタント 辻井 伸夫

皆さま、こんにちは。コンサルタントの辻井です。

さて今日は8月13日、夏真っ盛り、夏休み真只中。
そんな中で当メルマガをお読みいただいている奇特な皆さまに、
ちょっと息抜きになりそうな軽い話題を提供させていただきます。

我が家には猫の額ほどの庭があり、
昨年のコラムでは、ささやかな菜園作りを紹介させていただきました。
この猫の額の片隅には、つい最近までシダレヤナギが植わっていました。
そよそよとなびく風情がそれなりに優雅だったのですが、
台風や暴風雨の際には髪を振り乱したメデューサの如くになり、
道行く人や車にまで迷惑をかけかねない高さにまでなっていました。
冬は冬で大量の枯葉を撒き散らし、1メートル超の枝まで落ちてきました。
園芸関係の本をめくってみても、
都会の庭木にはふさわしくないとか、
枝が垂れているのは縁起が良くないとか、
ロクなことが書いてありません。

そもそもこのヤナギは、7年前の正月飾りの生花に入っていた一本の枝で、
銀紙を巻いたまま、妻が思いつきで庭の片隅に挿したのが育ったものです。
それが桜が咲く頃にはしっかりと根を張り、みずみずしい若葉が茂り、
夏にかけての成長の早さはまるで「となりのトトロ」の一場面のよう、
4、5年もたつと幹もふとって樹高も5メートルを超え、
みるみるうちに、素人の手にはおえなくなってしまったのです。

 その頃、近所の植木屋さんに剪定を頼んだのですが、
なぜその時点で伐採しなかったのか、
後になってつくづく後悔しました。
「娘が結婚するときにヤナギの箪笥を持たせるんだから、切っちゃだめ!」
などと妻が勝手なことを言い出したので、思いとどまってしまったのです。
自然が人間の思うとおりになるはずもなく、
それから2年、ヤナギはさらに成長を続け、
木造2階建ての屋根の高さを超えて、樹高ははるか7、8メートル、
幹の直径は30センチにも及ぶ立派な高木となってしまいました。

ついに今年、妻を説得して、今度は伐採を同じ植木屋さんに頼みました。
住宅地ではチェーンソーで切り倒すわけにはいかないので、
枝を払ってから親方が木に登り、
上から1メートルぐらいずつ幹を切り落としていく地道な作業です。
かかった費用は全部で約9万円。
木も小さく、消費税も産廃費用も安かった2年前なら
3、4万円で済んだでしょうから、判断の先延ばしが仇となって、
5万円以上もムダな出費をする羽目になったのでした。

さて、私の失敗談は自業自得と笑ってすませられますが、
企業では、判断の遅れが
取り返しのつかない大きな危機につながることがあります。
直接的な費用だけではなく、
ブランド力の低下、企業イメージや信用の失墜等を招くことで、
一気に業績に悪影響を与えることもあり得ます。
BCPは主に自然災害を対象としていますが、
企業を取り巻くリスクは自然災害ばかりではありません。
情報セキュリティ、国際関係、食品の安全等、
企業を取り巻く多様なリスクに日頃から目を光らせ、
いざというときに迅速に判断し対処できるシステムを
社内に作りあげておきたいものです。
貴社におかれましても、判断遅れにならないうちに、
今一度リスクマネジメントについて考えてみてはいかがでしょうか。

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