コンサルタントコラム

きっかけは、子供たちの個人情報

2015年02月18日

コンサルタント

石上 良夫

皆さん、こんにちは。コンサルタントの石上です。

私は、これまで社内の情報セキュリティ、個人情報保護、
内部統制の構築や内部監査を担当し、
現在は日々、お客様のために情報セキュリティや事業継続など
リスク管理のコンサルティングをしています。

昨年の5月頃からだったでしょうか、
小学6年生になったばかりの次男あてに、
複数の塾や教材の販売会社から、
中学受験に関するダイレクトメールや勧誘の電話が来るようになりました。

我が家には中2、小6、小3の3人の息子がいるのですが、
3人とも小さいころから
「○○チャレンジ」や「○○ゼミ」に親しんできました。
そう、まさに昨年6月に発覚した、
通信教育事業者による情報漏えい事件に巻き込まれていたのです。

息子たちの情報が一体どこまで拡散していくのか不安になった私は、
これからどんなリスクが待ち受けているのか考えてみました。
すぐに思いつくところでは、

  • 高額な教材やセミナーの押し売りに遭う
  • 詐欺に遭う
    (誕生日にプレゼントがもらえると案内されて申し込むと、あとから高額な手数料を請求をされる、など)
といったことがあります。

 

深刻なのは、

  • 流出した個人情報が他のリストと突き合せられて、
     趣味や志向、経歴、病歴といったプライバシー情報があらわになる
ということが考えられます。

 

そんな想像をしていると、ますます不安になってきます。
将来にわたりどのように悪用をされるかわからない
ということが、この問題の真に怖い点ではないでしょうか。

リスク管理をするには、
まず、どんなリスクがあるのか洗い出し、情報共有することが重要です。
そこで家族会議を開催し、
息子たちに今後どんなリスクがあるのか話し合うことにしました。

まず、一度漏れた情報は削除することができないこと、
そして、将来に渡り洩れた情報が悪用される可能性があること、
先ほど考えた起こり得るリスクの内容を話しました。

子供たちに、他に何か考えられることはあるか聞くと、

長男は、「誰かに名前と生年月日を悪用され
ネット上でなりすまされることが怖い」と言いました。
理由を聞くと、 「誰かが勝手に友達の悪口を言って、
それが自分が言ったことのようにされるのが嫌だから。
友達の○○君が実際に遭ったもん、
だから僕はスマホでもメール以外はしないよ」と言いました。

次男は、「携帯電話の暗証番号は僕の誕生日だから危ないね」と言いました。
私は、当然ながらすぐに「変えなさい」と言いました。

三男は、まだ小さいので特にありませんでした。

また、これから注意しないといけない事として、

  • 生年月日や電話番号などを暗証番号には使わないこと
  • 不審な電話があったら必ず親に報告すること
  • パソコンやスマホにむやみに自分に関する情報を書き込まないこと
  • どこかから誕生日にプレゼントがもらえると案内があっても、
     そこに本当に登録したか確認すること
などを伝えました。

 

そうこうするうちに気が付けば2時間もたっていました。
話がつきかけたころ、
そういえばと思い立ち、
「パパはさっきの家族会議の様なことをお客様とやっているんだよ」
と日々の仕事のことを話してみました。

振り返ってみると今までは、まだ理解できないだろう、
聞いても興味が持てないだろうと濁してきた話題です。

3人ははじめて詳しく聞く、父の仕事のことに
熱心に耳を傾けてくれたように思います。
今回の件と重ね合わせて、多少なりとは理解もできたようです。
最後には、少し尊敬の眼差しを受け、照れくさくもなりました。

今回の事故は、多くの家庭や子供自身に、
今後多くの実質的な被害をもたらす可能性を持ち、
勿論、繰り返されてはならないものです。
多くの企業は、さらに堅牢な対策を求められていくでしょう。

ただ、我が家に限定していえば、
個人情報について、リスクについて、今後の対応について、
そして、私の仕事について、
子供たちと深く話合う時間をもつことになった
思いがけない出来事となりました。