コンサルタントコラム

近くて遠い鳥獣戯画

2015年05月27日

コンサルタント

永峯 登喜子

こんにちは。コンサルタントの永峯 登喜子です。

突然ですが、質問です。皆さん、行列に並ぶのは平気ですか?
2,3分待つくらいなら気にしない方も多いと思いますが、
待ち時間が1時間以上となったらどうでしょう?

今回のコラムは行列の待ち時間に圧倒されて、
最近考えたことについてお話しします。

この4月末から東京国立博物館では
「鳥獣戯画-京都 高山寺の至宝-」と題して、
鳥獣戯画の特別展が開催されています。
鳥獣戯画は国宝にも指定され、
日本で最も有名な絵巻ともいわれるので、
ご存知の方も多いと思います。
作者や伝来には諸説がある謎の多い絵巻ですが、
平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて制作されたといわれています。

この鳥獣戯画について、
私が忘れてしまっただけなのかもしれませんが学生時代に
美術や歴史などで学んだ記憶がないのです。
それが10年くらい前に着物の着付けを習っていた時に
着物や帯を扱う問屋を訪問する機会があり、
そこで見た鳥獣戯画のデザインを取り入れた帯に
一目ぼれしてしまいました。

描かれた相撲や水遊びに興じて
飛び跳ねるうさぎや蛙などの動物たちが
人間っぽくもあるのに愛らしいこと。
動物たちの声や周囲に吹く風の音さえも今にも聞こえてきそうで、
どれだけ見ていても飽きません。
ここまで惹かれるからには
いつか絶対に実際の絵巻を高山寺にゆっくり見に行こうと
思っていたのですが、機会をつくれず、
そのうち行ってみたい場所リストに残ったままになっていました。

なので、東京にある博物館で鳥獣戯画の特別展が
開催されるのを知った年明けから
「今年のゴールデンウィークは鳥獣戯画を見られる!」
と、とても楽しみにしていたのです。

ところが、いざ特別展が始まってみると、
大人気過ぎて待ち時間がとんでもないことになっています。
例えば、ゴールデンウィークのある日などは
入場まで:80分
絵巻を見るまで:60分
と、合計2時間以上の待ち時間が必要なのです。

いくら鳥獣戯画が大好きでも、
行列で待つのが嫌い&混雑した美術館で
貧血を起こしかけた経験のある私としては
とても出かける気にはなれません。
物理的には近くに来た鳥獣戯画ですが、
私にとって心理的な距離は遠いままなのです。

その後も特別展のTwitter アカウントから配信される
混雑状況を確認しているのですが、
平日でも1時間待ちが当たり前という盛況ぶりです。
「みんなどれだけ鳥獣戯画が好きなんだ」と仲間を見つけたようで
嬉しくもありますが、
ここまで混雑が続くとは思ってもみませんでした。

そこで、行列に並び混雑した
博物館に出かけるのは避けたいものの、
鳥獣戯画鑑賞をあきらめる気はないので
鳥獣戯画を見る別の手段として、
改めて鳥獣戯画が伝わる京都の高山寺について調べてみました。

すると高山寺は観光シーズンには混雑するものの、
シーズンオフなら訪れる人も少なく、
静かな場所で絵巻もゆっくり鑑賞できることが分りました。
しかも自然の中の山寺といった雰囲気の場所なので、
自然の中を散策もできます。
もちろん、東京から京都への移動が伴うので博物館で
絵を見るより費用や時間はかかりますが、
旅行に出かける楽しみがあり、
自然散策もでき、本来の目的だった鳥獣戯画を見られるなら、
京都に出かけたほうが私としては何倍も楽しめそうです。

というわけで、年明けから楽しみにしていた
この春の博物館での鳥獣戯画鑑賞はあきらめ、
結局、昔から思い描いたように
京都に行って鳥獣戯画を見る計画を復活させました。

しっかり防寒対策をして、冬の寒い時期の京都に行ってみようか...、
など、早くも次の楽しみに思いをはせている今日この頃なのです。