コンサルタントコラム

一眼レフの快感

2015年11月11日

コンサルタント

松原 真佑子

コンサルタント 松原 真佑子
こんにちは、コンサルタントの松原真佑子です。
趣味は何ですか、と聞かれたらいつも旅行と答えるのですが、
私の旅行には絶対に欠かせないものがひとつあります。

それは一眼レフのカメラです。
ただ、巷のカメラが趣味と公言する人には
カメラそのもの知識は遠く及ばず、とても趣味とは言えません。
だけど自分にとってはなくてはならないものです。

これはいったい何なのかを考えてみました。

第一に、見たものを見たままに残せる点がいいです。
私は幼少の頃より目がとても悪く、乱視でもあるためか、
真夏のように明るい時は色がよく見えません。

そのため、写真に撮っておきます。
写真なら見ることができます。

今はスマートフォンでもかなりきれいに写真が撮れますが、
スマホと一眼レフの一番の違いは、
個人的には撮影する面(センサ)の大きさにあると思います。
一眼レフの大きいものなら昔のフィルムと同じ大きさ(24ミリ×36ミリ)、
私のは小さいのでその半分くらいですが、
携帯のセンサは3ミリ×4ミリくらいでずっとずっと小さなセンサです。
レンズに入る光の量が違うので、色の再現性が違ってきます。

第二に、望遠レンズを重宝しています。
すでに書いたように私は目が悪いので、
遠くを見るには双眼鏡か望遠レンズが必要です。

そもそも一眼レフを使い始めたきっかけは、
高校2年の修学旅行の時でした。

薬師寺東塔の水煙の飛天の話を読んで、
飛天を見たいと思ったのです。
でも肉眼では見えないだろうと予想し、
父に一眼レフを貸してくれるよう頼みました。
もう二十年も前の話なのでフィルムカメラです。

あまり鮮明には写りませんでしたが、
とても満足したのを覚えています。
だって、自分の目では全くわからなかった飛天が、
写真の中にちゃんと写っていたのですから。

今も旅行の時は必ず望遠レンズを持っていきます。
日本のお寺はもちろん、ヨーロッパでも尖塔の上に
いろいろな像が載っていますから、
それを撮るのが楽しみの一つです。
それに旅先では言うまでもなく新しい出会いの連続で、
見聞きしたもの全てを覚えていられません。
アントワープのルーベンスの絵画「聖母被昇天」の上には
神とキリストの彫刻があって、
王冠を構えてマリア様を待っていたな、
など写真を見れば思い出せます。

つまり記憶力と視力を補っているわけです。

と、ここまでなら、性能のいいカメラがいいという話です。
それなら最近流行のミラーレス一眼でいいはず。
軽くて小さくてレンズ交換もできるので、女子に人気です。
一眼レフは重くて、一日中ぶら下げていると首が痛くなってしまいます。
ではなぜ、私はそれでも一眼レフを使い続けているのでしょうか。

それが第三の理由、レフ板の存在です。
一眼レフで写真を撮った経験があればわかると思いますが、
写真を撮った瞬間の「カシャッ」という音は、
中でレフ板(反射板)が上がって下がる音なのです。

いわば鏡が手の中で動くわけなので、結構な振動が手に伝わります。
この音と振動がなんとも言えず快感なのです。
振動が手に伝わる瞬間、過ぎゆく時の一瞬を自分の手で切り取った、
という実感が伝わります。

私の一眼レフはニコンD5000で、
詳しい方には「なんだ」と思われるくらい軽くて小さい機種です。
音も高めで軽い感じの音です。
カメラが「カシャッ」というその瞬間、
ふわっと心が弾むのがわかります。

というわけで、私にとって一眼レフは、
見たままを残すことで記憶力を補い、望遠レンズで視力を補い、
時を切り取る感触を伝えて今を大事にしているという
実感を補ってくれるものでした。

つまり、私に足りない部分を補ってくれる
人生の大事なパートナーなのです。