コンサルタントコラム

馬の瞳がピカピカ光る訳

2016年05月25日

コンサルタント

川上 泰央

コンサルタント 川上 泰央
こんにちは
コンサルタントの川上です。

今回のコンサルタントコラムのテーマ探しに、本棚を眺めていたら、
愛読書コーナーにある「HORSES」という世界各国の馬を紹介している
美しい図鑑に目が留まりました。

はじめに、私の馬との付き合いについて、少しだけ触れておきたいと思います。
大学時代に体育会馬術部に入部したことが馬付き合いのスタートになります。
卒業後は、プライベート時間に、大学や乗馬クラブで馬術コーチをしたり、
障害者のための乗馬ボランティアをしたり、国内外の旅先で馬に乗ったりしていて、
かれこれ20年以上の付き合いになります。

ある夏休みを利用して、このポケットサイズの図鑑を手に、
ヨーロッパの国々を廻り、各国の馬に会いに行ったことを思い出しながら、
愛すべき馬について、馬乗りの視点から、ご紹介してみたいと思います。

出会った各国の馬たちの中から、
特に印象的だった馬のベスト3を挙げてみます。

1.スウェーデンのストックホルム宮殿の馬は高貴すぎて、動物として負けました。
2.フランスの馬は跳躍力があり、状況判断力が高く、野山を駆け回るのは最高でした。
3.オランダの馬は力強く安定感があり、私の技量では能力を全開にできませんでした。

地域性からくる気質、体格、運動能力の異なる馬たちに出会う旅をしながら、
なぜ、自分はこんなにも馬に惹かれ続けるのだろうという思いが浮かびました。
その思いに対して、
・馬はその瞳で、この世界をどう見ているのか
・なぜ、人は馬の瞳に惹かれるのか
という問いが生まれました。

私が考える馬の瞳の4大特徴
1つ目の特徴は、パノラマモードです。
2つ目の特徴は、距離把握が苦手です。
3つ目の特徴は、瞳の高低差が2メートル以上あることです。
4つ目の特徴は、ピカピカ光ります。
これから4つの特徴についてご説明したいと思います。

「馬の瞳はパノラマモード」
馬はどこまでの範囲をみているのでしょうか。
人間の瞳孔は円形ですが、
馬の瞳孔は横長のため、横方向に広い視野をもちます。

馬の瞳は顔の左右についているため、
見える視野は350度の広さがあります。
真後ろ以外のほとんどの範囲を見ることができ、
視野の限界で動くものに敏感に反応します。

馬にまたがると、馬にとっての死角である真後ろに人間が位置します。
そのため、馬に信頼されないと、自分の思うように動いてくれません。

馬が見ている範囲を、同じように見るためには、
焦点を少しボンヤリさせて、
広い範囲を見ようとする瞳の使い方になります。
すると、周囲の動きの変化をすばやく察知できるようになります。

周辺視野が鮮明になり、「部分」ではなく、「全体」が見えるようになり、
大局的にものを見られる気がします。

「馬の瞳は距離把握が苦手」
馬は、左右それぞれの瞳で別のものを見ることができます。
前方60度以外の左右視野を、片方の瞳でそれぞれ見ているため、
その視野に対しては、視覚による距離感覚が弱いのです。

遠くのものを見るときは、頭を下げて、上目づかいのように見ます。
近くのものを見るときには、頭を上げて、焦点を合わせようとします。
草を食みながら、外敵に襲われないように周囲に気を配り、
生き延びてきた馬は、遠くの気配に敏感です。

馬にまたがり、馬の両耳の間から、馬が見ている方向を見ると、
前方のものの距離感をつかむと同時に、
左右視野の空間に流れを感じます。
すると、前向きな気持ちになり、駆け出したくなります。

「馬の瞳の高低差は2メートル以上」
馬が頭を下げて草を食む時、地上30センチくらいのところに瞳があり、
首を伸ばして頭を高く上げると、地上2メートル以上の高さに瞳が位置します。

馬にまたがると、人間の瞳の高さは地上から2メートル近くになります。
馬が頭を上げ下げする時、
自分の瞳の高さは変わらないけれど、馬の瞳の位置の高低差を感じます。
その時、いくつもの段階での気づきを得られる気がします。

「馬の瞳はピカピカ光る」
馬の瞳は、直径約5センチで人間の瞳の約2倍の大きさがあり、
昼間でも夜でもピカピカと光ります。
網膜の後ろに、光を反射し増幅させる輝板があるためです。
そのため、暗闇の中、ほんの少しの光でものが見えます。

夜、月あかりや星あかりの下、
馬にまたがって移動する時は、
自分の瞳を閉じ、馬の瞳に任せます。
視覚感覚を消し去り、人馬一体化すると、
天空の星々・宇宙との一体感を感じることができます。

以上、馬の瞳の機能と、
馬にまたがった時の感覚を書き綴りました。
私が馬の瞳に惹かれる訳は、
長い睫毛でウィンクするその大きな瞳に、
柔らかさと優しさを感じるからです。そして何よりも、
その瞳がピカピカ光り輝く瞬間を見たいのです。