AIセーフティ・インスティテュート(AISI)は人員2倍に、初の「AI基本計画」を閣議決定 政府
政府は2025年12月23日、初の「AI基本計画」を閣議決定しました。同年5月に成立したAI法に基づく法定計画であり、内閣総理大臣をトップとする戦略本部主導のもと、AI基本計画で示された施策が遂行されます。技術進展が早い分野であるため、基本計画は「毎年」変更を行うと明記されました。
計画では、AI施策の原則として「イノベーション促進とリスク対応の両立」など3つを掲げ、基本方針を4点に整理しています。具体的には、①AI利活用の加速的推進「AIを使う」、②AI開発力の戦略的強化「AIを創る」、③AIガバナンスの主導「AIの信頼性を高める」、④AI社会に向けた継続的変革「AIと協働する」――です。
①「AIを使う」では、政府自身の利用を拡大します。デジタル庁が進めている生成AI利用環境(ガバメントAI「源内」)を整備します。首相官邸の公式サイトによると、高市首相の発言として今年5月から10万人以上の政府職員が活用できる体制を構築する方針が示されています。AI基本計画には、本府省庁における環境整備に加え、指定職や管理職が率先して利活用する仕組みの導入も明記されています。
②「AIを創る」では、日本の勝ち筋となるAIモデルなどの開発を推進します。特に、自動運転技術やロボットなどのフィジカルAIの研究開発および実証を促進します。
③「AIの信頼性を高める」では、AIの安全性評価を行う専門機関「AIセーフティ・インスティテュート(AISI)」の機能を抜本的に強化します。先行している英国の機関「AIセキュリティ・インスティテュート」をベンチマークとし、直ちにAISIの人員を現行の2倍程度に拡充します。
国際的な主導権確保に向けた活動も強化します。AI関連の国際規格の策定に向けて経済産業省を中心にISO(国際標準化機構)などでの標準化活動に参画します。
④「AIと協働する」では、知的財産の保護とコンテンツホルダー(クリエイターやコンテンツ産業)への対価還元の推進が明記されました。生成AIによる権利侵害に関する相談体制を整備することも盛り込まれています。
なお、首相官邸の公式サイトによると、政府は今夏をめどに投資目標や制度改革、データ戦略などを含む「官民投資ロードマップ」を策定し、AI基本計画をさらに充実させる方針です。